2012年05月20日
酒の科学。
私事ですが、酒が大好きです。
日本酒、ビール、焼酎、ウィスキー、泡盛、カクテル、どれも大好きです。
え?どうでもいい、そんなこと?そうですか。
で、今回お話しするのが、お酒のお話。
お酒ってのは、古代古くから伝わる自然の恵みであるのですが、科学的視点で見ると、非常に興味深いものを秘めています。
お酒を作るのに必ずと言っていい必要な、重要なものが、糖と酵母と呼ばれるもの。
これらによって、アルコールが生まれるのです。
酵母って言うのは、単純な話、微生物です。酵母は糖を分解してアルコールに変えてくれます。
学名でSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシエ)と言います。
このSaccharomyces cerevisiaeにも色々な種類がありますが、それらの総称です。
それらの種類によって、また味も変わってきます。
また、米や麦などを主原料とした、糖ではなくデンプンを主に含むものについては、
酵母で発酵する前に、麹によって発酵させます。これによってデンプンを糖に変えて、その後、酵母によって発酵させるのです。
麹もまた、微生物です。あれです、カビです。Aspergillus(アスペルギルス)属という仲間のカビを使います。
日本酒に使われるのが、Aspergillus oryzae(アスペルギルス オリザエ)。黄麹と呼ばれます。
焼酎に使われる麹が、Aspergillus niger(アスペルギルス ニガー)。黒麹も白麹もそうですが、白麹はこの亜種です。
発酵作業の時に、服が黒くなる事から「黒麹」でして、これを改善させたのが「白麹」です。
他、醤油や味噌、鰹節の製造にも、このAspergillus(アスペルギルス)属のカビが使われています。
日本酒の醸造の場合・・・
まず米に黄麹を付けて発酵させます。
↓
すると、米のデンプンが糖化します。
ちなみに、デンプンってのは、糖が鎖の様に繋がった化学構造をしているので、この鎖を切って糖にするのです。
↓
デンプンが糖化すると、今度は酵母の出番です。
酵母によって、糖をアルコールに変えてあげます。
これによって、お酒が出来るのです。
ところで、「口噛み酒」って聞いた事ありますか?
穀物を口に含み、それを壷に吐き出して、発酵させるお酒の事です。
人間の唾液にはアミラーゼという酵素を含んでいます。
なので、人間が穀物を口に含んで噛むと、その穀物の持つデンプンが糖に変わるのです。
中学の頃、デンプンはヨウ素液で青紫色になるけど、デンプンに唾液を入れて温めたものは青紫色にならない、
という実験をしたかと思います。
これは、デンプンが唾液のアミラーゼによって糖に分解されたからです。
糖が出来たら、酵母によって発酵させる事が出来ます。こうして出来たのが「口噛み酒」ってヤツです。
ちなみに、微生物にはそれぞれ活動できる温度帯、と言うものがあります。
麹と酵母では、その温度帯が違います。これを利用して、糖化→アルコール化をするのです。
微生物って言うのは、他にも様々な要因で働きが左右され、それによって、様々な味わいのお酒が造られます。
原料の種類から始まり、水、空気、環境、温度、発酵時間、発酵槽の撹拌の仕方、麹や酵母の細かい種類、そして杜氏さんの腕。
様々な条件から、唯一無二の様々な味わいのお酒が出来ます。
そんな、一人一人違った方法で、他にはまねできない方法で、酒造りをする杜氏さんを私は心から尊敬しています。 続きを読む
日本酒、ビール、焼酎、ウィスキー、泡盛、カクテル、どれも大好きです。
え?どうでもいい、そんなこと?そうですか。
で、今回お話しするのが、お酒のお話。
お酒ってのは、古代古くから伝わる自然の恵みであるのですが、科学的視点で見ると、非常に興味深いものを秘めています。
お酒を作るのに必ずと言っていい必要な、重要なものが、糖と酵母と呼ばれるもの。
これらによって、アルコールが生まれるのです。
酵母って言うのは、単純な話、微生物です。酵母は糖を分解してアルコールに変えてくれます。
学名でSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシエ)と言います。
このSaccharomyces cerevisiaeにも色々な種類がありますが、それらの総称です。
それらの種類によって、また味も変わってきます。
また、米や麦などを主原料とした、糖ではなくデンプンを主に含むものについては、
酵母で発酵する前に、麹によって発酵させます。これによってデンプンを糖に変えて、その後、酵母によって発酵させるのです。
麹もまた、微生物です。あれです、カビです。Aspergillus(アスペルギルス)属という仲間のカビを使います。
日本酒に使われるのが、Aspergillus oryzae(アスペルギルス オリザエ)。黄麹と呼ばれます。
焼酎に使われる麹が、Aspergillus niger(アスペルギルス ニガー)。黒麹も白麹もそうですが、白麹はこの亜種です。
発酵作業の時に、服が黒くなる事から「黒麹」でして、これを改善させたのが「白麹」です。
他、醤油や味噌、鰹節の製造にも、このAspergillus(アスペルギルス)属のカビが使われています。
日本酒の醸造の場合・・・
まず米に黄麹を付けて発酵させます。
↓
すると、米のデンプンが糖化します。
ちなみに、デンプンってのは、糖が鎖の様に繋がった化学構造をしているので、この鎖を切って糖にするのです。
↓
デンプンが糖化すると、今度は酵母の出番です。
酵母によって、糖をアルコールに変えてあげます。
これによって、お酒が出来るのです。
ところで、「口噛み酒」って聞いた事ありますか?
穀物を口に含み、それを壷に吐き出して、発酵させるお酒の事です。
人間の唾液にはアミラーゼという酵素を含んでいます。
なので、人間が穀物を口に含んで噛むと、その穀物の持つデンプンが糖に変わるのです。
中学の頃、デンプンはヨウ素液で青紫色になるけど、デンプンに唾液を入れて温めたものは青紫色にならない、
という実験をしたかと思います。
これは、デンプンが唾液のアミラーゼによって糖に分解されたからです。
糖が出来たら、酵母によって発酵させる事が出来ます。こうして出来たのが「口噛み酒」ってヤツです。
ちなみに、微生物にはそれぞれ活動できる温度帯、と言うものがあります。
麹と酵母では、その温度帯が違います。これを利用して、糖化→アルコール化をするのです。
微生物って言うのは、他にも様々な要因で働きが左右され、それによって、様々な味わいのお酒が造られます。
原料の種類から始まり、水、空気、環境、温度、発酵時間、発酵槽の撹拌の仕方、麹や酵母の細かい種類、そして杜氏さんの腕。
様々な条件から、唯一無二の様々な味わいのお酒が出来ます。
そんな、一人一人違った方法で、他にはまねできない方法で、酒造りをする杜氏さんを私は心から尊敬しています。 続きを読む
2012年04月20日
数学の面白い法則。
今日、映画「博士の愛した数式」をDVDで観ていました。
非常に面白いです。ストーリーはもちろん、この映画の中で学校では教えてくれない数学の楽しさを知る事ができます。
数学は、何かの役に立つ事が重要ではなく、証明の美しさが重要である。
私がこの事を知ったのはここ一年以内です。それまでは、どんな学術分野も、何かの役に立つために研究されている、と思っていたのです。
しかし、サイモン・シンや藤原正彦の本を読み、この「数学には美しさが必要」と言う事に妙に納得したのです。
数学は、哲学や芸術に近い分野です。
さて、「数学の面白く、美しい法則」と言う事で、今回は幾つか数学の面白さに触れてみようと思います。
ここでの内容は「博士の愛した数式」にも、サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」出てきます。
●友愛数
まずは例を挙げてみます。その例は220と284です。
220の約数を自分以外で挙げて行くと、1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110です。
コレを全て足すと、1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284になります。
次に284も同様に約数を自分以外で挙げて行きます。1,2,4,71,142です。
コレを全て足すと、1+2+4+71+142=220です。
この220と284のように、2つの数において、自分自身以外の約数の和を全て足すと、互いに等しい数になる関係のペアを「友愛数」と言います。
この関係にある数のペアは非常に少数で稀であります。そして、このペアが無限にあるのかどうかも証明されていません。
wikipedia「友愛数」
●完全数
次に完全数です。例を2つ挙げます。こちらも「博士の愛した数式」にも出てきました。
まずは「6」です。
6の約数を自分自身を除いて挙げると、1,2,3です。また、1+2+3=6です。
もう一つ、「28」です。
28の約数を自分自身を除いて挙げると、1,2,4,7,14です。コレを全て足すと、1+2+4+7+14=28です。
この様に自分自身を除いた約数を全て足すと自分自身の数になる、この数字の事を「完全数」と言います。
ちなみにこの完全数、1+2+3+4+・・・+nで表される、という特徴も持っています。
例えば今上に出した28ですが、1+2+3+4+5+6+7=28です。
こんな驚くべき法則を持っているのが「完全数」です。
この完全数においても、未解決の分野があるのです。
この完全数は、1+2+3+4+・・・+nで表されるものの、無限にあるのかも未解明で、発見されている数もそれほど多くありません。
wikipedia「完全数」
●4以上の偶数は、2つの素数の和で表される。
題の通りです。予備校で習いました。とりあえず分かりやすい所で検証してみましょう。
素数を、とりあえず100まで書き出すと、1,2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97
それをふまえて適当に数字を挙げて見てみましょう。
たとえば、では26はどうでしょう。3+23=26です。34は?31+3=34です。58は?53+3=58です。
こんな感じで、4以上の偶数全てに通用する、っていうのだから、驚きです。
●連続する整数の和を手っ取り早く求める方法。
こちらも、予備校行っていた時に教えてもらった内容です。
インドの神童が10歳の時には使いこなしていた様です。数列の和の公式とかありますが、そんなものを使う必要はありません。
たとえば、1〜50を全て足した時の和を求めてみましょう。
1+2+3+・・・+48+49+50です。いちいち全て足して行くって行為は余りに非効率です。
こうやります。50+49+48+・・・+3+2+1と逆に書いたヤツを筆算で足し算にします。
1+ 2+ 3+・・・+48+49+50
+)50+49+48+・・・+ 3+ 2+ 1
------------------------------------------------------
これを縦同士足していくと、1+50=51,2+49=51,3+48=51・・・48+3=51,49+2=51,50+1=51ってな具合に、
51+51+・・・+51+51+51と51を50回足す形になります。51×50です。
51×50=50×50+1×50=2500+50=2550です。
同じものを2回足しているので、最後に2で割ってやります。正解は1275です。
要するに、言いたいのはこういう事です。
1からnまで全て足す場合、(n+1)×nをして、最後に2で割ってやればOKなのです。
1から1000まで全て足した和はいくつか、というと、
1001×1000=1001000。これを2で割って500500が正解です。
信じられなかったら、実際に1から1000まで全て足してみてください。500500になります。
と、こんな訳で、「博士の愛した公式」から一部抜粋して数学の面白い法則を紹介しました。
非常に面白いです。ストーリーはもちろん、この映画の中で学校では教えてくれない数学の楽しさを知る事ができます。
数学は、何かの役に立つ事が重要ではなく、証明の美しさが重要である。
私がこの事を知ったのはここ一年以内です。それまでは、どんな学術分野も、何かの役に立つために研究されている、と思っていたのです。
しかし、サイモン・シンや藤原正彦の本を読み、この「数学には美しさが必要」と言う事に妙に納得したのです。
数学は、哲学や芸術に近い分野です。
さて、「数学の面白く、美しい法則」と言う事で、今回は幾つか数学の面白さに触れてみようと思います。
ここでの内容は「博士の愛した数式」にも、サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」出てきます。
●友愛数
まずは例を挙げてみます。その例は220と284です。
220の約数を自分以外で挙げて行くと、1,2,4,5,10,11,20,22,44,55,110です。
コレを全て足すと、1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284になります。
次に284も同様に約数を自分以外で挙げて行きます。1,2,4,71,142です。
コレを全て足すと、1+2+4+71+142=220です。
この220と284のように、2つの数において、自分自身以外の約数の和を全て足すと、互いに等しい数になる関係のペアを「友愛数」と言います。
この関係にある数のペアは非常に少数で稀であります。そして、このペアが無限にあるのかどうかも証明されていません。
wikipedia「友愛数」
●完全数
次に完全数です。例を2つ挙げます。こちらも「博士の愛した数式」にも出てきました。
まずは「6」です。
6の約数を自分自身を除いて挙げると、1,2,3です。また、1+2+3=6です。
もう一つ、「28」です。
28の約数を自分自身を除いて挙げると、1,2,4,7,14です。コレを全て足すと、1+2+4+7+14=28です。
この様に自分自身を除いた約数を全て足すと自分自身の数になる、この数字の事を「完全数」と言います。
ちなみにこの完全数、1+2+3+4+・・・+nで表される、という特徴も持っています。
例えば今上に出した28ですが、1+2+3+4+5+6+7=28です。
こんな驚くべき法則を持っているのが「完全数」です。
この完全数においても、未解決の分野があるのです。
この完全数は、1+2+3+4+・・・+nで表されるものの、無限にあるのかも未解明で、発見されている数もそれほど多くありません。
wikipedia「完全数」
●4以上の偶数は、2つの素数の和で表される。
題の通りです。予備校で習いました。とりあえず分かりやすい所で検証してみましょう。
素数を、とりあえず100まで書き出すと、1,2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47,53,59,61,67,71,73,79,83,89,97
それをふまえて適当に数字を挙げて見てみましょう。
たとえば、では26はどうでしょう。3+23=26です。34は?31+3=34です。58は?53+3=58です。
こんな感じで、4以上の偶数全てに通用する、っていうのだから、驚きです。
●連続する整数の和を手っ取り早く求める方法。
こちらも、予備校行っていた時に教えてもらった内容です。
インドの神童が10歳の時には使いこなしていた様です。数列の和の公式とかありますが、そんなものを使う必要はありません。
たとえば、1〜50を全て足した時の和を求めてみましょう。
1+2+3+・・・+48+49+50です。いちいち全て足して行くって行為は余りに非効率です。
こうやります。50+49+48+・・・+3+2+1と逆に書いたヤツを筆算で足し算にします。
1+ 2+ 3+・・・+48+49+50
+)50+49+48+・・・+ 3+ 2+ 1
------------------------------------------------------
これを縦同士足していくと、1+50=51,2+49=51,3+48=51・・・48+3=51,49+2=51,50+1=51ってな具合に、
51+51+・・・+51+51+51と51を50回足す形になります。51×50です。
51×50=50×50+1×50=2500+50=2550です。
同じものを2回足しているので、最後に2で割ってやります。正解は1275です。
要するに、言いたいのはこういう事です。
1からnまで全て足す場合、(n+1)×nをして、最後に2で割ってやればOKなのです。
1から1000まで全て足した和はいくつか、というと、
1001×1000=1001000。これを2で割って500500が正解です。
信じられなかったら、実際に1から1000まで全て足してみてください。500500になります。
と、こんな訳で、「博士の愛した公式」から一部抜粋して数学の面白い法則を紹介しました。
タグ :速算術
2012年04月18日
開花予想はなぜできるのか?
と、言う事で桜の季節がやってまいりました。
この季節になると、必ずテレビで報道されるのは桜前線、開花予想。
日本列島に線引きをして、4月何日まで詳しく発表されます。
では、ナゼそんなことができるんでしょう?ってお話です。
桜と言えば「ソメイヨシノ」。桜並木や桜の名所に植えられている桜は殆どが「ソメイヨシノ」です。
桜前線や開花予想は、桜の殆どがこのソメイヨシノだからこそできるのです。
で、このソメイヨシノですが、接ぎ木や挿し木によって殖やす事ができます。
「『接ぎ木』『挿し木』って何ぞや?」って方にですが、
接ぎ木は、植物の切り株を土台にして枝を付けると、しっかりとくっついて一体化してしまうってやつです。
挿し木は枝を折って育てれば根が生えて、やがては立派な木になるってやつです。
枝を下端を水に漬けておくと、根が生えてきてる様子、見た事あるかと思います。正にアレです。
コレ、ポイントです。てか、これが最大のポイントなのです。
要するに、何を言いたいかと言うと。
ソメイヨシノは全て接ぎ木と挿し木によって株分けされています。
接ぎ木、挿し木によって株分けされてるってことは、ソメイヨシノは全て、全く同じ遺伝子、同じDNAを持っているって事です。
つまり、様々な所に存在しているソメイヨシノは全て同一人物の分身、クローンであるって事なんです。
そう考えると、あの奇麗に咲き誇るソメイヨシノが、何だか気持ち悪く感じてしまいますが。
八重桜辺りに、「うわっ!お前ソメイヨシノか!気持ちワリ!」とか言われてるかも。
で、この全く同じ遺伝子を持つソメイヨシノですが、開花条件があります。
それは、積算温度と言うものなのですが、5度以上気温の有効積算温度(平均気温×日数)が5~600度とされています。
同じ遺伝子なんだから、ここももちろん個体差無く一緒です。なので、ソメイヨシノは開花予想が可能なのです。
ソメイヨシノが同じ遺伝子であるから、桜前線を日本列島に描く事が可能であり、開花予想が可能であり、あの短命の桜の花が一気に咲き誇る事が可能であるのです。
非常に桜の花が大好きで、花見が大好きな日本人には都合の良い植物です。
ソメイヨシノは同じ遺伝子のクローンであるからこそ、上記の様な利点がある反面、大きな欠点も持っています。
それは、もしソメイヨシノを一気に枯らせてしまう病気、害虫が蔓延した場合、ソメイヨシノは即効で絶滅してしまう、と言う事です。
先に書いた通り、ソメイヨシノは全て同じ遺伝子を持っています。なので、病気に対する耐性も全く同じです。
生物が病気に対する耐性を進化の過程で得ますが、桜はみんな同じ遺伝子、クローンなのでそれができません。
だから、一気に枯らせてしまう病気が発生した時は、蔓延すると絶滅します。
さらに、ソメイヨシノは人間の手によって接ぎ木、挿し木で殖えて行きます。種子植物ですが、種子で殖える事ができません。
なので、人間が絶滅すると、ソメイヨシノも絶滅します。
よって、ソメイヨシノは人間と共に生きて行く植物なのです。
さて、長野のお花見シーズンはこれからです。
何か、ソメイヨシノについて色々語ってみましたが、花見は理屈じゃありません。
壮大に咲き誇るソメイヨシノの下で、酒を飲み、料理を食べ、存分に花見を楽しんでください。
この季節になると、必ずテレビで報道されるのは桜前線、開花予想。
日本列島に線引きをして、4月何日まで詳しく発表されます。
では、ナゼそんなことができるんでしょう?ってお話です。
桜と言えば「ソメイヨシノ」。桜並木や桜の名所に植えられている桜は殆どが「ソメイヨシノ」です。
桜前線や開花予想は、桜の殆どがこのソメイヨシノだからこそできるのです。
で、このソメイヨシノですが、接ぎ木や挿し木によって殖やす事ができます。
「『接ぎ木』『挿し木』って何ぞや?」って方にですが、
接ぎ木は、植物の切り株を土台にして枝を付けると、しっかりとくっついて一体化してしまうってやつです。
挿し木は枝を折って育てれば根が生えて、やがては立派な木になるってやつです。
枝を下端を水に漬けておくと、根が生えてきてる様子、見た事あるかと思います。正にアレです。
コレ、ポイントです。てか、これが最大のポイントなのです。
要するに、何を言いたいかと言うと。
ソメイヨシノは全て接ぎ木と挿し木によって株分けされています。
接ぎ木、挿し木によって株分けされてるってことは、ソメイヨシノは全て、全く同じ遺伝子、同じDNAを持っているって事です。
つまり、様々な所に存在しているソメイヨシノは全て同一人物の分身、クローンであるって事なんです。
そう考えると、あの奇麗に咲き誇るソメイヨシノが、何だか気持ち悪く感じてしまいますが。
八重桜辺りに、「うわっ!お前ソメイヨシノか!気持ちワリ!」とか言われてるかも。
で、この全く同じ遺伝子を持つソメイヨシノですが、開花条件があります。
それは、積算温度と言うものなのですが、5度以上気温の有効積算温度(平均気温×日数)が5~600度とされています。
同じ遺伝子なんだから、ここももちろん個体差無く一緒です。なので、ソメイヨシノは開花予想が可能なのです。
ソメイヨシノが同じ遺伝子であるから、桜前線を日本列島に描く事が可能であり、開花予想が可能であり、あの短命の桜の花が一気に咲き誇る事が可能であるのです。
非常に桜の花が大好きで、花見が大好きな日本人には都合の良い植物です。
ソメイヨシノは同じ遺伝子のクローンであるからこそ、上記の様な利点がある反面、大きな欠点も持っています。
それは、もしソメイヨシノを一気に枯らせてしまう病気、害虫が蔓延した場合、ソメイヨシノは即効で絶滅してしまう、と言う事です。
先に書いた通り、ソメイヨシノは全て同じ遺伝子を持っています。なので、病気に対する耐性も全く同じです。
生物が病気に対する耐性を進化の過程で得ますが、桜はみんな同じ遺伝子、クローンなのでそれができません。
だから、一気に枯らせてしまう病気が発生した時は、蔓延すると絶滅します。
さらに、ソメイヨシノは人間の手によって接ぎ木、挿し木で殖えて行きます。種子植物ですが、種子で殖える事ができません。
なので、人間が絶滅すると、ソメイヨシノも絶滅します。
よって、ソメイヨシノは人間と共に生きて行く植物なのです。
さて、長野のお花見シーズンはこれからです。
何か、ソメイヨシノについて色々語ってみましたが、花見は理屈じゃありません。
壮大に咲き誇るソメイヨシノの下で、酒を飲み、料理を食べ、存分に花見を楽しんでください。
2012年04月18日
平成24年度長野県学力検査問題数学より1問
平成24年度の長野県学力検査問題の数学、「非常に難しい」という意見がチラホラ飛び交っています。
平均点は例年より20点程下がる、という噂も出ていましたね。
で、実際私も一部解いてみましたが、感想です。
難しいです。50分で解き切れる自信は無いです。
公務員試験を去年受験した私からみると、公務員試験レベルじゃないか?って感じです。
要するに、中学3年間で勉強してきた内容を武器に、どれだけ頭柔らかく、どれだけ頭の回転早く解くか
これにかかってると思います。
でも、面白いです。時間制限無ければ、非常に解くのが面白い問題です。
で、今回の問題の中で、正直私にとって大好きなこの問題についてピックアップ。
問題2の(1)です。
(問題はこちらからご覧下さい)
http://www.pref.nagano.lg.jp/kyouiku/kyougaku/koukounuusi/h24suugaku01.pdf
この問題、一の位が数が等しく、十の位の数の和が10である2桁の数の積が以下の様に表せると気付いたら、
もうこの問題は一気に解けたと言っていい問題です。
「一の位の数が等しい2桁の数の積」は、(10a+b)(10c+b)で表せます。
かつ、「十の位の数の和が10である」なので、a+c=10です。
では、これを解いてみます。
(10a+b)(10c+b)
=100ac+10ab+10bc+b2
=100ac+10b(a+c)+b2
ここで、a+c=10なので、
100ac+10b(a+c)+b2
=100ac+10b×10+b2
=100ac+100b+b2
=100(ab+c)+b2
要するに、ここで話題になっている2桁のかけ算の特徴ってのは、
1).十の位以下の数は、c2がそのまま持ってこれる。
2).百の位以上の数は100(ac+b)で表される。
3).100(ac+b)と表される通り、100をかけている事から、かける数の十の位とかけられる数の十の位は積の十の位以下に影響を及ぼさない。
って事です。
ここまで出しておいて、問題を読みます。
1.「『あ』に当てはまる適切なものをア〜エの中から選べ」というものです。
注目すべき所は100(ac+b)です。
これに当てはまるものを選択肢から選ぶと、
エ 「かける数とかけられる数」の十の位の積にかけられる数の十の位の数をたす。
になります。
2.「い」と「う」に当てはまる数を求めなさい。
積の十の位以下は49なので、cの値、つまり、かける数とかけられる数の一の位は7であるということが分かります。
積の100の位以上の数は23です。上で計算した文字式と照らし合わせると、
ac+b=ac+7=23。よって、ab=16です。
a+c=10、ac=16、a>cを全て満たすaとbの値を求めます。
a+c=10,ac=16より、
a+16/a=10
a2+16=10a
a2-10a+16=0
a=2,8
となります。
a=2ならばc=8、a=8ならばc=2となりますが、a>cなので、a=8,c=2です。
よって、「い」は8、「う」は2となります。
3.和也さんは〜ってのは上記で書いていた内容をそのまま当てはめてやればOKです。
「え」はa+c、「お」はac+b、「か」はa2となります。
3は、この問題を解く大きな鍵になってるのかな、なんて思いますが、1と2を見ただけで、相当勘のいい人は解けるかな、と。
でも、受験勉強をやってきた中学生にはなかなか酷な問題なのかな、と。
ちなみに公務員試験だと、3の問題は無しで解かせてきます。そんなレベルです。
この時、自分が学生時代に得てきた「武器」をどれだけ使いこなせるか、が問題になってきます。
ちなみに私は、この問題を3を見ずに解いて、「面白い問題出すな〜でも中学生には酷な問題だな〜」なんて思ってました。
尚、今このブログを書いていて、初めて3の存在を知りました。
そんな訳で、平成24年度長野県学力検査問題数学に一つ触れてみました。
平均点は例年より20点程下がる、という噂も出ていましたね。
で、実際私も一部解いてみましたが、感想です。
難しいです。50分で解き切れる自信は無いです。
公務員試験を去年受験した私からみると、公務員試験レベルじゃないか?って感じです。
要するに、中学3年間で勉強してきた内容を武器に、どれだけ頭柔らかく、どれだけ頭の回転早く解くか
これにかかってると思います。
でも、面白いです。時間制限無ければ、非常に解くのが面白い問題です。
で、今回の問題の中で、正直私にとって大好きなこの問題についてピックアップ。
問題2の(1)です。
(問題はこちらからご覧下さい)
http://www.pref.nagano.lg.jp/kyouiku/kyougaku/koukounuusi/h24suugaku01.pdf
この問題、一の位が数が等しく、十の位の数の和が10である2桁の数の積が以下の様に表せると気付いたら、
もうこの問題は一気に解けたと言っていい問題です。
「一の位の数が等しい2桁の数の積」は、(10a+b)(10c+b)で表せます。
かつ、「十の位の数の和が10である」なので、a+c=10です。
では、これを解いてみます。
(10a+b)(10c+b)
=100ac+10ab+10bc+b2
=100ac+10b(a+c)+b2
ここで、a+c=10なので、
100ac+10b(a+c)+b2
=100ac+10b×10+b2
=100ac+100b+b2
=100(ab+c)+b2
要するに、ここで話題になっている2桁のかけ算の特徴ってのは、
1).十の位以下の数は、c2がそのまま持ってこれる。
2).百の位以上の数は100(ac+b)で表される。
3).100(ac+b)と表される通り、100をかけている事から、かける数の十の位とかけられる数の十の位は積の十の位以下に影響を及ぼさない。
って事です。
ここまで出しておいて、問題を読みます。
1.「『あ』に当てはまる適切なものをア〜エの中から選べ」というものです。
注目すべき所は100(ac+b)です。
これに当てはまるものを選択肢から選ぶと、
エ 「かける数とかけられる数」の十の位の積にかけられる数の十の位の数をたす。
になります。
2.「い」と「う」に当てはまる数を求めなさい。
積の十の位以下は49なので、cの値、つまり、かける数とかけられる数の一の位は7であるということが分かります。
積の100の位以上の数は23です。上で計算した文字式と照らし合わせると、
ac+b=ac+7=23。よって、ab=16です。
a+c=10、ac=16、a>cを全て満たすaとbの値を求めます。
a+c=10,ac=16より、
a+16/a=10
a2+16=10a
a2-10a+16=0
a=2,8
となります。
a=2ならばc=8、a=8ならばc=2となりますが、a>cなので、a=8,c=2です。
よって、「い」は8、「う」は2となります。
3.和也さんは〜ってのは上記で書いていた内容をそのまま当てはめてやればOKです。
「え」はa+c、「お」はac+b、「か」はa2となります。
3は、この問題を解く大きな鍵になってるのかな、なんて思いますが、1と2を見ただけで、相当勘のいい人は解けるかな、と。
でも、受験勉強をやってきた中学生にはなかなか酷な問題なのかな、と。
ちなみに公務員試験だと、3の問題は無しで解かせてきます。そんなレベルです。
この時、自分が学生時代に得てきた「武器」をどれだけ使いこなせるか、が問題になってきます。
ちなみに私は、この問題を3を見ずに解いて、「面白い問題出すな〜でも中学生には酷な問題だな〜」なんて思ってました。
尚、今このブログを書いていて、初めて3の存在を知りました。
そんな訳で、平成24年度長野県学力検査問題数学に一つ触れてみました。
2012年04月07日
爆弾低気圧と気温の変化
先日、「爆弾低気圧」なるものが日本を通過して行きました。
風が強く吹き、春らしくなってきたと思われた気温は、一気に下がってまるで冬に逆戻り?みたいな?
さて、「爆弾低気圧」って何でしょう?というと、テレビで騒がれていましたね。
NHKや気象庁が言うと、「急速に発達した(する)低気圧」でして、
定義としては、爆弾低気圧(meteorological "bomb")とは、急速に発達し、熱帯低気圧並みの風雨をもたらす温帯低気圧をいう。
だそうです。Wikipediaより。
コレは中学の理科で習う範囲なんですが、低気圧について。
(1).等圧線の間隔が狭い程、風は強くなる。
(2).温暖前線が通過すると気温が上昇する。
(3).寒冷前線が通過すると気温は急激に下がる。
温暖前線は、低気圧の中心から伸びている線に半円が乗ってるヤツ。
寒冷前線は、低気圧の中心から伸びている線に三角が乗ってるヤツです。
オサライです、コレ。
低気圧の周りの暖気(暖かい空気)と寒気(冷たい空気)を色分けすると、こんな感じです。
青の部分が寒気、オレンジの部分が暖気です。
前線と前線に挟まれてる三角地帯が暖気のところです。前線を境界にして反対側が寒気のところです。
この位置、よく覚えておいてくださいね。
まずこの低気圧、明らかに前線の間隔は狭いです。ってーことは、風は強いんです。
で、気温の変化ですが、この低気圧の動きとその日の気温を比べて見ると、非常に分かりやすい。
てか、
「うわ、これ中学で習ったまんまの、絵に描いた様な気温変化してんじゃん!」
って感じです。
では、見てみましょう。
まず、4月3日の9時と21時の天気図。
午前9時には長野は暖気の中にいます。低気圧はそのまま北西へ向かい、21時頃通過する辺りにいます。
この日4月3日、長野の気温は最高13度、最低5度でした。非常に暖かい日でした。
そして翌日。4月4日の9時と21時の天気図を見てみましょう。
低気圧は通過して行きました。長野は寒気の中です。
等圧線の間隔が非常に狭いです。って事は、スッゲー風強いです。
この日の気温ですが、最高4度、最低0度。「ハァ?」って感じです。
何が「ハァ?」かというと、前の日の最低気温より最高気温が低いんです。
これが、寒冷前線の通過ってヤツです。非常に分かりやすいです。
ちなみに、ついでなので、4月5日の9時、21時、6日9時の天気図も載せておきます。
低気圧は離れて行きます。長野は寒気の中にいますが、離れて行くので次第に気温は上がります。
離れては行っているのですが、北関東沖あたりにある低気圧から前線が出てます。結局寒気の中にいるのです。
実際、4月5日の最高7度、最低0度。4月6日は最高7度、最低-1度。
そんな感じで天気図を見ます。
ここ数日は非常に分かりやすい天気図と気温の追従だったので、ちょっとご紹介してみました。
天気図を見るのに慣れてくればなかなか面白いものです。
風が強く吹き、春らしくなってきたと思われた気温は、一気に下がってまるで冬に逆戻り?みたいな?
さて、「爆弾低気圧」って何でしょう?というと、テレビで騒がれていましたね。
NHKや気象庁が言うと、「急速に発達した(する)低気圧」でして、
定義としては、爆弾低気圧(meteorological "bomb")とは、急速に発達し、熱帯低気圧並みの風雨をもたらす温帯低気圧をいう。
だそうです。Wikipediaより。
コレは中学の理科で習う範囲なんですが、低気圧について。
(1).等圧線の間隔が狭い程、風は強くなる。
(2).温暖前線が通過すると気温が上昇する。
(3).寒冷前線が通過すると気温は急激に下がる。
温暖前線は、低気圧の中心から伸びている線に半円が乗ってるヤツ。
寒冷前線は、低気圧の中心から伸びている線に三角が乗ってるヤツです。
オサライです、コレ。
低気圧の周りの暖気(暖かい空気)と寒気(冷たい空気)を色分けすると、こんな感じです。
青の部分が寒気、オレンジの部分が暖気です。
前線と前線に挟まれてる三角地帯が暖気のところです。前線を境界にして反対側が寒気のところです。
この位置、よく覚えておいてくださいね。
まずこの低気圧、明らかに前線の間隔は狭いです。ってーことは、風は強いんです。
で、気温の変化ですが、この低気圧の動きとその日の気温を比べて見ると、非常に分かりやすい。
てか、
「うわ、これ中学で習ったまんまの、絵に描いた様な気温変化してんじゃん!」
って感じです。
では、見てみましょう。
まず、4月3日の9時と21時の天気図。
午前9時には長野は暖気の中にいます。低気圧はそのまま北西へ向かい、21時頃通過する辺りにいます。
この日4月3日、長野の気温は最高13度、最低5度でした。非常に暖かい日でした。
そして翌日。4月4日の9時と21時の天気図を見てみましょう。
低気圧は通過して行きました。長野は寒気の中です。
等圧線の間隔が非常に狭いです。って事は、スッゲー風強いです。
この日の気温ですが、最高4度、最低0度。「ハァ?」って感じです。
何が「ハァ?」かというと、前の日の最低気温より最高気温が低いんです。
これが、寒冷前線の通過ってヤツです。非常に分かりやすいです。
ちなみに、ついでなので、4月5日の9時、21時、6日9時の天気図も載せておきます。
低気圧は離れて行きます。長野は寒気の中にいますが、離れて行くので次第に気温は上がります。
離れては行っているのですが、北関東沖あたりにある低気圧から前線が出てます。結局寒気の中にいるのです。
実際、4月5日の最高7度、最低0度。4月6日は最高7度、最低-1度。
そんな感じで天気図を見ます。
ここ数日は非常に分かりやすい天気図と気温の追従だったので、ちょっとご紹介してみました。
天気図を見るのに慣れてくればなかなか面白いものです。
タグ :天気
2012年03月22日
古代ギリシャによる月の直径と地球〜月と太陽の距離の発見。
またまたサボっていまして、久々の更新です。「月刊」になってしまっている様な。まあいいか。
現在、サイモン・シンの「宇宙創成」を読んでいますが、これがとてつもなく面白いのです。
まだまだ読み始めで、上巻の150ページ程度。第1章が終わって、ようやく第2章に入ったところなのですが、引き込まれるように熱中して読んでいます。
第1章は、天動説と地動説の話。これが、古代ギリシャの時代から、地動説が一般的に正当化される頃まで、その頃の時代背景や思想と共に綴られています。
さて、今回の本題ですが、その中の話です。
月や太陽の直径、地球から月、太陽までの距離は古代ギリシャの頃には分かっていた、
というものなのですが、これが興味深く、そして分かりやすい。シンプル。もの凄く感心してしまいました。
では、どのようにして分かったのか。今回はそれについてです。
●月の直径
月の直径と地球の直径の比は4:1です。これは月蝕から知る事ができます。
忘れた方のために月蝕の原理を最初にお話ししますと、
太陽と地球と月が一直線上になる→月が地球の影に隠れる→月に太陽の光が当たらないため光らない
というところです。
では、どのように知る事ができるのか、左の図で説明します。
ご存知の通り、月は地球の周りを回っています。地球の影に入ると、月はどんどん欠けていきます。この欠け始めから完全にかけるまでの時間を測ります。50分です。
次に、完全に欠けてから、再び月が出てくるまでの時間を計ります。その時間は200分です。
月は地球の周りをほぼ一定の速度で回っているので、その時間の比は地球の直径と月の直径の比になります。
50:200=1:4=月の直径:地球の直径
当時、地球の直径は、2地点での同刻の太陽の角度と観測した2地点の距離の関係から分かっていたので(詳細は割愛)、そこから月の直径を割り出す事ができます。
●地球と月の距離
腕を伸ばした時、指の爪で月がジャストフィットですっぽり隠れた
これが発見された事が始まりです。
ここで、左の図の様に描くと、爪と腕による三角形と、月の直径と距離の三角形は相似する事が分かります。
さて、腕の長さと爪の大きさの比はおよそ100:1です。
これまで分かると、地球から月までの距離が分かります。
そう、地球から月までの距離は、月の直径の100倍です。
●地球から太陽までの距離
地球の直径から月の直径、月の直径から月までの距離、芋づる式に出てきました。
コレが分かると今度は地球と太陽までの距離が芋づる式に分かってきます。
ポイントは半月が南天している時です。
半月(上弦の月)の時、南天するのは日没時でして、月と太陽と地球で左の図の様に直角三角形ができます。
月の距離は既に分かってます。あとは、三角形の辺の比なり、三角関数なりで計算すると、地球から太陽までの距離が分かってきます。
何ともシンプルで分かりやすい!!
これを古代ギリシャ人が発見していた、というのですから驚きです。
こんな内容が、サイモン・シンの宇宙創成上巻の第1章、しかも最初の30ページに記されています。
もうこの時点で「間違いなく、この本は面白すぎる!」と思いながら、引き込まれるように読んでいます。
現在、サイモン・シンの「宇宙創成」を読んでいますが、これがとてつもなく面白いのです。
まだまだ読み始めで、上巻の150ページ程度。第1章が終わって、ようやく第2章に入ったところなのですが、引き込まれるように熱中して読んでいます。
第1章は、天動説と地動説の話。これが、古代ギリシャの時代から、地動説が一般的に正当化される頃まで、その頃の時代背景や思想と共に綴られています。
さて、今回の本題ですが、その中の話です。
月や太陽の直径、地球から月、太陽までの距離は古代ギリシャの頃には分かっていた、
というものなのですが、これが興味深く、そして分かりやすい。シンプル。もの凄く感心してしまいました。
では、どのようにして分かったのか。今回はそれについてです。
●月の直径
月の直径と地球の直径の比は4:1です。これは月蝕から知る事ができます。
忘れた方のために月蝕の原理を最初にお話ししますと、
太陽と地球と月が一直線上になる→月が地球の影に隠れる→月に太陽の光が当たらないため光らない
というところです。
では、どのように知る事ができるのか、左の図で説明します。
ご存知の通り、月は地球の周りを回っています。地球の影に入ると、月はどんどん欠けていきます。この欠け始めから完全にかけるまでの時間を測ります。50分です。
次に、完全に欠けてから、再び月が出てくるまでの時間を計ります。その時間は200分です。
月は地球の周りをほぼ一定の速度で回っているので、その時間の比は地球の直径と月の直径の比になります。
50:200=1:4=月の直径:地球の直径
当時、地球の直径は、2地点での同刻の太陽の角度と観測した2地点の距離の関係から分かっていたので(詳細は割愛)、そこから月の直径を割り出す事ができます。
●地球と月の距離
腕を伸ばした時、指の爪で月がジャストフィットですっぽり隠れた
これが発見された事が始まりです。
ここで、左の図の様に描くと、爪と腕による三角形と、月の直径と距離の三角形は相似する事が分かります。
さて、腕の長さと爪の大きさの比はおよそ100:1です。
これまで分かると、地球から月までの距離が分かります。
そう、地球から月までの距離は、月の直径の100倍です。
●地球から太陽までの距離
地球の直径から月の直径、月の直径から月までの距離、芋づる式に出てきました。
コレが分かると今度は地球と太陽までの距離が芋づる式に分かってきます。
ポイントは半月が南天している時です。
半月(上弦の月)の時、南天するのは日没時でして、月と太陽と地球で左の図の様に直角三角形ができます。
月の距離は既に分かってます。あとは、三角形の辺の比なり、三角関数なりで計算すると、地球から太陽までの距離が分かってきます。
何ともシンプルで分かりやすい!!
これを古代ギリシャ人が発見していた、というのですから驚きです。
こんな内容が、サイモン・シンの宇宙創成上巻の第1章、しかも最初の30ページに記されています。
もうこの時点で「間違いなく、この本は面白すぎる!」と思いながら、引き込まれるように読んでいます。
2012年02月15日
漆。伝統工芸と化学その1。
大分久々の更新です。
先日、東急ライフの「信州木工会 冬のクラフト・家具展・2012」に行ってきました。
木工細工や家具作りの職人さんたちが腕を振るって作成した、心のこもった小物や家具が多く並び、非常に興味津々で見ておりました。
その中で、私の目を引いたのがこちら。漆塗りのプレートです。
赤漆の赤と漆の黒が重なって、非常に独特で深みのあるいい色を出していました。
朝日村の「彩漆KOBAYASHI」さんの作品です。一目惚れして購入しました。
色々お話もさせて頂き、このような一品ものの手作りの工芸品は、量産品には無い暖かさ、というか、心のこもった、というか、
理屈では語れない良さ、と言うものがあります。
勿論、量産品にも量産品の良さはあります。安く、手軽に手に入り、使い捨てもできる。
しかし、海外製の安い量産品が溢れかえっている今だからこそ、
こういった、手工業によるものづくりを良さを見つめ直す必要があるのかもしれません。
さて、長くなりましたが、今回はこの「漆」の話です。
漆で有名な所と言ったら、まず思い浮かぶのは「輪島」でしょう。実は先週行ってきました。
輪島の道の駅には、輪島塗のプレートを何枚も並べた絵があり、非常に素敵です。
で、輪島塗ですが、「この職人技術がスゴイ」というのが、刷毛で塗っているのに刷毛の跡が無いのです。
先日、テレビで漆塗りの技能の伝承の話をしているのを観ました。
とある工芸大学では、この技術の伝承をサポートするために、
職人さんの腕の角度、刷毛の角度、刷毛の力加減、刷毛につける漆の量、刷毛のスピードなど、
様々な点から解析し、それを元にお弟子さんたちに身につけさせる、と言うものです。
そう言ったものが分かっても、ロボットにはできない。人の手で無いとできない。それが職人の技、というものです。
要は理屈ではないんです。感覚なのです。感覚で「あ、成功した」「あ、ダメだ」って思った事、あるでしょう。あれなんです。
さて、ここまで職人について話しましたが、ここからが本題。漆についてです。
漆は「ウルシノキ」と呼ばれる木の樹液が原材料となっており、約80%を占める主成分が「ウルシオール」と言うものです。
このウルシオールという物質、日本で発見され、真島利行博士により構造解析されたものです。
「化学」という分野が日本に入ってきて、わずか100年程度の事です。
ちなみに、漆でかぶれる人が良くいますが、それはこのウルシオールが原因物質となるアレルギー症状です。
ちなみにこのウルシオール、マンゴーや銀杏にも含まれます。
ウルシオールは、ラッカーゼという酵素によって高湿度下で酸化反応をし、
「重合」、要するに近くにあるウルシオール分子と規則正しい配列で合体していきます。
しかし、この重合反応がゆっくり進むため、乾いてから重ね塗りして・・・という工程が続きます。
非常に難しい、根気のいる作業です。これを上手くやるのが職人さんたちの技術ってことなんですね。
また、漆は紫外線に非常に弱い性質を持っています。紫外線が重合した漆を攻撃し、劣化させてしまいます。
ちなみにこの重合反応、身近なものでもあります。接着剤です。
接着剤は空気に触れたり、溶剤が揮発したりすると、重合反応が始まり、固まります。
モノによっては空気中の水分も関係していたかと思います。パテや塗料も同様です。
上記の紫外線の件は、重合したもの、要するにプラスチックや接着剤でも同様で、重合反応した分子を攻撃します。
外に置いてもろくなってヒビ割れたバケツなんていい例です。
現在、明治大学理工学部のある研究室では、速乾性の漆を作ったりと、漆の研究が行われています。(「化学と工業」2010年12月号より参考)
今、日本の伝統工芸の後継者が徐々に減少していく中で、科学技術と融合する事によって、
その伝統工芸が守られ、新しい価値が産まれようとしています。
私感ですが、これまで量産や利便性のために使われてきた科学技術、
そしてその影響により、時代の流れによって徐々に衰退していく伝統工芸、
この2つが融合して、伝統工芸が守られ、発展しようとしている。
非常に素晴らしい事ではないかと思うと同時に、私もそんな仕事をしてみたいな、と感じます。
先日、東急ライフの「信州木工会 冬のクラフト・家具展・2012」に行ってきました。
木工細工や家具作りの職人さんたちが腕を振るって作成した、心のこもった小物や家具が多く並び、非常に興味津々で見ておりました。
その中で、私の目を引いたのがこちら。漆塗りのプレートです。
赤漆の赤と漆の黒が重なって、非常に独特で深みのあるいい色を出していました。
朝日村の「彩漆KOBAYASHI」さんの作品です。一目惚れして購入しました。
色々お話もさせて頂き、このような一品ものの手作りの工芸品は、量産品には無い暖かさ、というか、心のこもった、というか、
理屈では語れない良さ、と言うものがあります。
勿論、量産品にも量産品の良さはあります。安く、手軽に手に入り、使い捨てもできる。
しかし、海外製の安い量産品が溢れかえっている今だからこそ、
こういった、手工業によるものづくりを良さを見つめ直す必要があるのかもしれません。
さて、長くなりましたが、今回はこの「漆」の話です。
漆で有名な所と言ったら、まず思い浮かぶのは「輪島」でしょう。実は先週行ってきました。
輪島の道の駅には、輪島塗のプレートを何枚も並べた絵があり、非常に素敵です。
で、輪島塗ですが、「この職人技術がスゴイ」というのが、刷毛で塗っているのに刷毛の跡が無いのです。
先日、テレビで漆塗りの技能の伝承の話をしているのを観ました。
とある工芸大学では、この技術の伝承をサポートするために、
職人さんの腕の角度、刷毛の角度、刷毛の力加減、刷毛につける漆の量、刷毛のスピードなど、
様々な点から解析し、それを元にお弟子さんたちに身につけさせる、と言うものです。
そう言ったものが分かっても、ロボットにはできない。人の手で無いとできない。それが職人の技、というものです。
要は理屈ではないんです。感覚なのです。感覚で「あ、成功した」「あ、ダメだ」って思った事、あるでしょう。あれなんです。
さて、ここまで職人について話しましたが、ここからが本題。漆についてです。
漆は「ウルシノキ」と呼ばれる木の樹液が原材料となっており、約80%を占める主成分が「ウルシオール」と言うものです。
このウルシオールという物質、日本で発見され、真島利行博士により構造解析されたものです。
「化学」という分野が日本に入ってきて、わずか100年程度の事です。
ちなみに、漆でかぶれる人が良くいますが、それはこのウルシオールが原因物質となるアレルギー症状です。
ちなみにこのウルシオール、マンゴーや銀杏にも含まれます。
ウルシオールは、ラッカーゼという酵素によって高湿度下で酸化反応をし、
「重合」、要するに近くにあるウルシオール分子と規則正しい配列で合体していきます。
しかし、この重合反応がゆっくり進むため、乾いてから重ね塗りして・・・という工程が続きます。
非常に難しい、根気のいる作業です。これを上手くやるのが職人さんたちの技術ってことなんですね。
また、漆は紫外線に非常に弱い性質を持っています。紫外線が重合した漆を攻撃し、劣化させてしまいます。
ちなみにこの重合反応、身近なものでもあります。接着剤です。
接着剤は空気に触れたり、溶剤が揮発したりすると、重合反応が始まり、固まります。
モノによっては空気中の水分も関係していたかと思います。パテや塗料も同様です。
上記の紫外線の件は、重合したもの、要するにプラスチックや接着剤でも同様で、重合反応した分子を攻撃します。
外に置いてもろくなってヒビ割れたバケツなんていい例です。
現在、明治大学理工学部のある研究室では、速乾性の漆を作ったりと、漆の研究が行われています。(「化学と工業」2010年12月号より参考)
今、日本の伝統工芸の後継者が徐々に減少していく中で、科学技術と融合する事によって、
その伝統工芸が守られ、新しい価値が産まれようとしています。
私感ですが、これまで量産や利便性のために使われてきた科学技術、
そしてその影響により、時代の流れによって徐々に衰退していく伝統工芸、
この2つが融合して、伝統工芸が守られ、発展しようとしている。
非常に素晴らしい事ではないかと思うと同時に、私もそんな仕事をしてみたいな、と感じます。
2012年01月25日
人体常在菌のはなし-美人は菌でつくられる 青木皐
食事中の方は食事後にお読み頂くこと推奨です。
今回は人間に住み着く「菌」の話です。
人間には100兆もの菌が生息し、共存しており、健康に生活して行くには、これらの菌を育てていく(=「育菌」)ことが重要である、というものです。
「菌」と言うと、「汚い」とか「病気」とかいうイメージがあり、また「抗菌」「除菌」「殺菌」というと清潔なイメージがありますが、
この「菌」が私たちが病気になったり、肌荒れになったり、というのを防いでくれるのです。
皮膚においては「表皮常在菌」として、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめとして、みっちり存在しています。その数なんと1兆個。
菌類や細菌類は繁殖して自分たちのテリトリーを持つと、他の菌類を繁殖させない、という性質を持ちます。
このようにして、表皮常在菌が皮膚の上で、皮脂や角質を食べて、分泌物を出しながら繁殖してくれるお陰で、病気になるのを防いでくれるのです。
しかし、何らかが原因で体内バランスが崩れると、表皮常在菌は害を持つことがあります。
例えばストレスが溜まってできるニキビなんていい例です。ニキビは表皮常在菌の一つのアクネ菌と黄色ブドウ球菌が原因しています。
この様に、人間にとって時に有益になり、また時に有害になる性質をもつ菌のことを「日和見菌」と言います。
また、腸内にも多くの菌が繁殖しています。「腸内常在菌」と言います。
乳酸菌や大腸菌などが有名です。それが花畑の様に広がっていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。その数なんと100兆個!!
この腸内常在菌によって消化だけでなく、アレルギーからも助けられています。
大人の人間の腸は大腸菌群が多くを占めています。一方、赤ちゃんの腸には乳酸菌が多くを占めています。
赤ちゃんが母乳→離乳食→一般食と食べるものが多様化していくにつれて、乳酸菌は減少し、大腸菌群が増えていきます。
「大腸菌群」と言うと、O-157に代表されるような、「汚い」「病気」のイメージがありますが、その多くは無害のものです。
さて、その大腸菌群ですが食中毒菌のひとつでもある「ウェルシュ菌」もその仲間で、人の腸内に住んでいます。臭いオナラやウンチの原因であり、「悪玉菌」として扱われています。
しかし、この菌が繁殖していることにより、外敵の進入をシャットアウトし、また、摂取したタンパク質を分解してくれる、という一面もあります。
善玉菌とか悪玉菌とか日和見菌とか、定義はあれどどれがどれに属するかは非常に曖昧です。
でもやはり、ウェルシュ菌は有益か有害か、と言われれば有害の部類に入ってきます。
さて、それでは、「育菌」をするにはどうすればいいのか??というところです。
皮膚については、
余り厚く化粧をしないこと/体を洗う時に擦りすぎないこと/暖房冷房の多用を避けて、衣類や飲食物で調整をすること
などが挙がります。菌は寒さ、乾燥を苦手としています。
また、あまり皮膚を擦り過ぎると、表皮常在菌の繁殖に必要な皮脂が失われてカサカサになるだけでなく、
絶えず老化→再生を繰り返す皮膚に傷が付き、そこから黄色ブドウ球菌が過多に繁殖することにもなります。
腸内については、
野菜や根菜などの食物繊維を積極的に摂取する/継続的に「食後に」ヨーグルトとオリゴ糖を同時摂取する/多彩な食品を取る⇒十色食
などが挙げられています。
ビフィズス菌などの乳酸菌は加齢と共に減少し、外部摂取で増加させることはできません。ウンチとして出てしまいます。だからこそ、継続して摂取することが必要なのです。
また、空腹時にヨーグルトを摂取しても、乳酸菌は胃酸にやられてしまうので、食後が最適です。
あと、必要なのがオリゴ糖です。オリゴ糖があって初めてビフィズス菌は活発に動きます。
食物繊維も重要で、腸内の有益菌を育てるのに一役かっています。
これらを心がけて食生活をして、黄色で水に浮く、繊維質を持ったふんわりとしたウンチが出れば正解です。
ウンチは水分を除いて食べ物の残りかすが1/3、他は腸内常在菌の死骸です。
肉や魚は全て吸収されてしまうので、繊維質と取れば取る程、食べ物の残りかすの占める割合が大きくなり、ウンチは臭くなくなります。
繊維質が無いと、ウンチは固くなり、そして臭くなるのです。
と、そんな感じで、人間が外面的にも内面的にも美人になるには、それぞれ個々が持っている人体常在菌を育てることが重要である、というところです。
そのためには何をすればいいか?
科学的なものとか、健康食品に頼らず、日本人が従来からしてきた生活をすればいいのです。
また、睡眠もたっぷり取ること、運動をしっかり行うことも育菌に重要なものの一つです。
是非、この本を読んでトライしてみてはいかがでしょうか? 続きを読む
今回は人間に住み着く「菌」の話です。
人間には100兆もの菌が生息し、共存しており、健康に生活して行くには、これらの菌を育てていく(=「育菌」)ことが重要である、というものです。
「菌」と言うと、「汚い」とか「病気」とかいうイメージがあり、また「抗菌」「除菌」「殺菌」というと清潔なイメージがありますが、
この「菌」が私たちが病気になったり、肌荒れになったり、というのを防いでくれるのです。
皮膚においては「表皮常在菌」として、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌をはじめとして、みっちり存在しています。その数なんと1兆個。
菌類や細菌類は繁殖して自分たちのテリトリーを持つと、他の菌類を繁殖させない、という性質を持ちます。
このようにして、表皮常在菌が皮膚の上で、皮脂や角質を食べて、分泌物を出しながら繁殖してくれるお陰で、病気になるのを防いでくれるのです。
しかし、何らかが原因で体内バランスが崩れると、表皮常在菌は害を持つことがあります。
例えばストレスが溜まってできるニキビなんていい例です。ニキビは表皮常在菌の一つのアクネ菌と黄色ブドウ球菌が原因しています。
この様に、人間にとって時に有益になり、また時に有害になる性質をもつ菌のことを「日和見菌」と言います。
また、腸内にも多くの菌が繁殖しています。「腸内常在菌」と言います。
乳酸菌や大腸菌などが有名です。それが花畑の様に広がっていることから「腸内フローラ」と呼ばれています。その数なんと100兆個!!
この腸内常在菌によって消化だけでなく、アレルギーからも助けられています。
大人の人間の腸は大腸菌群が多くを占めています。一方、赤ちゃんの腸には乳酸菌が多くを占めています。
赤ちゃんが母乳→離乳食→一般食と食べるものが多様化していくにつれて、乳酸菌は減少し、大腸菌群が増えていきます。
「大腸菌群」と言うと、O-157に代表されるような、「汚い」「病気」のイメージがありますが、その多くは無害のものです。
さて、その大腸菌群ですが食中毒菌のひとつでもある「ウェルシュ菌」もその仲間で、人の腸内に住んでいます。臭いオナラやウンチの原因であり、「悪玉菌」として扱われています。
しかし、この菌が繁殖していることにより、外敵の進入をシャットアウトし、また、摂取したタンパク質を分解してくれる、という一面もあります。
善玉菌とか悪玉菌とか日和見菌とか、定義はあれどどれがどれに属するかは非常に曖昧です。
でもやはり、ウェルシュ菌は有益か有害か、と言われれば有害の部類に入ってきます。
さて、それでは、「育菌」をするにはどうすればいいのか??というところです。
皮膚については、
余り厚く化粧をしないこと/体を洗う時に擦りすぎないこと/暖房冷房の多用を避けて、衣類や飲食物で調整をすること
などが挙がります。菌は寒さ、乾燥を苦手としています。
また、あまり皮膚を擦り過ぎると、表皮常在菌の繁殖に必要な皮脂が失われてカサカサになるだけでなく、
絶えず老化→再生を繰り返す皮膚に傷が付き、そこから黄色ブドウ球菌が過多に繁殖することにもなります。
腸内については、
野菜や根菜などの食物繊維を積極的に摂取する/継続的に「食後に」ヨーグルトとオリゴ糖を同時摂取する/多彩な食品を取る⇒十色食
などが挙げられています。
ビフィズス菌などの乳酸菌は加齢と共に減少し、外部摂取で増加させることはできません。ウンチとして出てしまいます。だからこそ、継続して摂取することが必要なのです。
また、空腹時にヨーグルトを摂取しても、乳酸菌は胃酸にやられてしまうので、食後が最適です。
あと、必要なのがオリゴ糖です。オリゴ糖があって初めてビフィズス菌は活発に動きます。
食物繊維も重要で、腸内の有益菌を育てるのに一役かっています。
これらを心がけて食生活をして、黄色で水に浮く、繊維質を持ったふんわりとしたウンチが出れば正解です。
ウンチは水分を除いて食べ物の残りかすが1/3、他は腸内常在菌の死骸です。
肉や魚は全て吸収されてしまうので、繊維質と取れば取る程、食べ物の残りかすの占める割合が大きくなり、ウンチは臭くなくなります。
繊維質が無いと、ウンチは固くなり、そして臭くなるのです。
と、そんな感じで、人間が外面的にも内面的にも美人になるには、それぞれ個々が持っている人体常在菌を育てることが重要である、というところです。
そのためには何をすればいいか?
科学的なものとか、健康食品に頼らず、日本人が従来からしてきた生活をすればいいのです。
また、睡眠もたっぷり取ること、運動をしっかり行うことも育菌に重要なものの一つです。
是非、この本を読んでトライしてみてはいかがでしょうか? 続きを読む
タグ :微生物
2012年01月23日
翡翠を求めて。
本日翡翠を探しに新潟県糸魚川市~富山県朝日町に行ってきたのです。
富山県の朝日町~新潟県の青海海岸~糸魚川市にかけては世界でも有数の翡翠の名産地なのです。
私が住んでいる長野県須坂市からだと高速で約2時間程度。 距離にして約130kmってところです。
北アルプスを迂回するルートになるのですが、意外に近いのです。
さて、最初に行ったのは富山県の東端、新潟県との県境にある朝日町。
ここに「ヒスイ海岸」がありまして、海岸線をとぼとぼと歩きながら石を探す。
冬の日本海、波が荒いです。
そして、翡翠の見分け方、調べてから来たのですが、全然分かりません。
翡翠というと緑をイメージされるでしょうが、純粋な翡翠は白色です。
でも、「キツネ石」という良く似たものもあり、科学分析なしに見分けるのには非常に熟練の技が必要なのです。
さて、ここで翡翠について。
輝石の一種で、細かな繊維状結晶が緻密に絡まって塊になっており、非常に頑丈で壊れにくい性質を持っています。
「硬玉」という名で装飾品として使われるのは有名な話かと思います。
純粋なヒスイ輝石は緑ではなく白色で、クロムと鉄を含むと緑になったり、チタンを含むと淡い紫になったりします。
この新潟県西部〜富山県東部はこの紫色のヒスイが取れ、「ラベンダービーチ」と言われるところもあります。
ちなみに純粋なヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6で表されます。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
糸魚川で産出される翡翠は量の順番で、白>緑>紫>青(チタンを含むオンファス輝石)>黒(石墨を含む)。
ちなみに「キツネ石」とは、「これ翡翠じゃない?」→「うわー違った!!」っていうもの。
キツネ石としては石英が多いようです。
糸魚川市には国指定の天然記念物として「翡翠峡」と言うところがあります。
小滝川の川沿い一帯がそれに当たります。尚、ここでの翡翠採取は固く禁じられております。
ちなみに翡翠の見分け方ですが、
・普通の石より比重が大きい。いわゆるずっしり重く感じる。
・緻密な結晶の集合体なので、光にかざすと表面がキラキラしている。→ざらざらとした透明な結晶がある。
・基本的に白から灰色のものが多い。そこに緑色が混ざっている、という感じ。
・石が乾いても緑色が非常にキレイ。
・頑丈な石なので、まんまるのものは無く、形が歪である。
・一番は糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムの研究員に鑑定してもらう。
で、海岸での翡翠採取ですが、色々拾って、
「これか?いや違う様な・・・でも、うーん・・・」
と、そんな感じでした。
やっぱヒスイ海岸というだけあり、他にも翡翠を探してとぼとぼ歩いている人が多いです。
基本的に海の波が大きい時に、波が運んでくるって感じなのです。
ある程度で見切りをつけて、次は親不知へ。
途中、天険親不知に立ち寄る。「矢如砥如」。
江戸時代まで交通の難所であった、「天下の険=『天険』」と言われる崖です。
(写真は3年前のものですが。)
いやーここ、大好きなんですよ。火曜サスペンスに出てきそうな風景です。
そして、親不知の海岸へ。ここは人が居ない。
色々見てみる。緑の色鮮やかなものもあって、「お?どうなんだ?」って感じのものまで。
その後は折角なので糸魚川市で地魚が食べれて美味い!という、地魚料理翠家かわせみさんでご飯。
ヒラメとアンコウのお刺身と、真鱈の白子ポン酢。ご飯とアンコウのお味噌汁。
感動的に美味い。そして帰宅。
戦利品の一部をご紹介。
とりあえずこんな感じです。
非常に緑色が鮮やかでキレイなのがコレ。
拡大するとこんな感じ。
あとはコレ。
こんな面白い石も。
翡翠取れたらいいな、で行ったのですが、翡翠云々を抜きにしても、キレイな変わった石を探して拾うって事そのものが、
幼い頃を思い出し、童心に帰った様で非常に楽しいものでした。
富山県の朝日町~新潟県の青海海岸~糸魚川市にかけては世界でも有数の翡翠の名産地なのです。
私が住んでいる長野県須坂市からだと高速で約2時間程度。 距離にして約130kmってところです。
北アルプスを迂回するルートになるのですが、意外に近いのです。
さて、最初に行ったのは富山県の東端、新潟県との県境にある朝日町。
ここに「ヒスイ海岸」がありまして、海岸線をとぼとぼと歩きながら石を探す。
冬の日本海、波が荒いです。
そして、翡翠の見分け方、調べてから来たのですが、全然分かりません。
翡翠というと緑をイメージされるでしょうが、純粋な翡翠は白色です。
でも、「キツネ石」という良く似たものもあり、科学分析なしに見分けるのには非常に熟練の技が必要なのです。
さて、ここで翡翠について。
輝石の一種で、細かな繊維状結晶が緻密に絡まって塊になっており、非常に頑丈で壊れにくい性質を持っています。
「硬玉」という名で装飾品として使われるのは有名な話かと思います。
純粋なヒスイ輝石は緑ではなく白色で、クロムと鉄を含むと緑になったり、チタンを含むと淡い紫になったりします。
この新潟県西部〜富山県東部はこの紫色のヒスイが取れ、「ラベンダービーチ」と言われるところもあります。
ちなみに純粋なヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6で表されます。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
糸魚川で産出される翡翠は量の順番で、白>緑>紫>青(チタンを含むオンファス輝石)>黒(石墨を含む)。
ちなみに「キツネ石」とは、「これ翡翠じゃない?」→「うわー違った!!」っていうもの。
キツネ石としては石英が多いようです。
糸魚川市には国指定の天然記念物として「翡翠峡」と言うところがあります。
小滝川の川沿い一帯がそれに当たります。尚、ここでの翡翠採取は固く禁じられております。
ちなみに翡翠の見分け方ですが、
・普通の石より比重が大きい。いわゆるずっしり重く感じる。
・緻密な結晶の集合体なので、光にかざすと表面がキラキラしている。→ざらざらとした透明な結晶がある。
・基本的に白から灰色のものが多い。そこに緑色が混ざっている、という感じ。
・石が乾いても緑色が非常にキレイ。
・頑丈な石なので、まんまるのものは無く、形が歪である。
・一番は糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムの研究員に鑑定してもらう。
で、海岸での翡翠採取ですが、色々拾って、
「これか?いや違う様な・・・でも、うーん・・・」
と、そんな感じでした。
やっぱヒスイ海岸というだけあり、他にも翡翠を探してとぼとぼ歩いている人が多いです。
基本的に海の波が大きい時に、波が運んでくるって感じなのです。
ある程度で見切りをつけて、次は親不知へ。
途中、天険親不知に立ち寄る。「矢如砥如」。
江戸時代まで交通の難所であった、「天下の険=『天険』」と言われる崖です。
(写真は3年前のものですが。)
いやーここ、大好きなんですよ。火曜サスペンスに出てきそうな風景です。
そして、親不知の海岸へ。ここは人が居ない。
色々見てみる。緑の色鮮やかなものもあって、「お?どうなんだ?」って感じのものまで。
その後は折角なので糸魚川市で地魚が食べれて美味い!という、地魚料理翠家かわせみさんでご飯。
ヒラメとアンコウのお刺身と、真鱈の白子ポン酢。ご飯とアンコウのお味噌汁。
感動的に美味い。そして帰宅。
戦利品の一部をご紹介。
とりあえずこんな感じです。
非常に緑色が鮮やかでキレイなのがコレ。
拡大するとこんな感じ。
あとはコレ。
こんな面白い石も。
翡翠取れたらいいな、で行ったのですが、翡翠云々を抜きにしても、キレイな変わった石を探して拾うって事そのものが、
幼い頃を思い出し、童心に帰った様で非常に楽しいものでした。
2012年01月13日
分かりやすくなる二乗の考え方。
久々に数学の話題です。
以前、3回程二乗に関する話題に触れました。
一つ目は、速算術-1[2ケタの二乗を速く解く。]
二つ目は、(a+b)の二乗を最も単純明快に証明する方法
三つ目は、「何の二乗か」を推理する方法。
今回は二乗関係4回目ですが、分かりやすくなる二乗の考え方です。
前段階として、正方形の面積を思い出して下さい。
縦×横、正方形は全ての辺の長さが等しいので、要するに一辺の二乗です。
んなこと分かってるって?まーまー、これが重要なんです。今回の内容。
まず、二乗は点を使ってこのように表す事が出来ます。
12=1です。
22は、縦横が+1になるように並べてやります。新しく並べたのが●です。
すると、2×2=22=4です。
32、42、52・・・n2と同じようにやってやります。
さて、ここでです。何となく頭に思い浮かんだ人が居るかもしれません。と言っても書いてあるのですが。
実は、新しく並べた●って縦の数と横の数は二乗したい数だけあるのです。
んなこと分かってるわ!と言われそうですが。つまりこういう事です。
では52を例にとって42を使って考えてみます。
42=16です。
16個の●の外側に、今度は縦横が5になるように●を並べてあげます。
42+5+5
しかしこの式では、隅っこの●が1個余分になってしまうので、1を引いてあげます。
42+5+5−1
この5+5−1が、●の数になります。
42+5+5−1=16+5+5−1=25
=52
となります。
では、5012を例に計算してみましょう。
この使い方で解くと、5002+501+501−1=250000+501+501−1=251001となります。
実際5012を計算すると、251001になります。
この●を使った二乗の考え方、実は結構色々な本に載っている考え方でして、それに次の数字の二乗の計算について自分なりのアレンジを加えてみました。
と、そんな感じでございます。 続きを読む
以前、3回程二乗に関する話題に触れました。
一つ目は、速算術-1[2ケタの二乗を速く解く。]
二つ目は、(a+b)の二乗を最も単純明快に証明する方法
三つ目は、「何の二乗か」を推理する方法。
今回は二乗関係4回目ですが、分かりやすくなる二乗の考え方です。
前段階として、正方形の面積を思い出して下さい。
縦×横、正方形は全ての辺の長さが等しいので、要するに一辺の二乗です。
んなこと分かってるって?まーまー、これが重要なんです。今回の内容。
まず、二乗は点を使ってこのように表す事が出来ます。
12=1です。
22は、縦横が+1になるように並べてやります。新しく並べたのが●です。
すると、2×2=22=4です。
32、42、52・・・n2と同じようにやってやります。
さて、ここでです。何となく頭に思い浮かんだ人が居るかもしれません。と言っても書いてあるのですが。
実は、新しく並べた●って縦の数と横の数は二乗したい数だけあるのです。
んなこと分かってるわ!と言われそうですが。つまりこういう事です。
では52を例にとって42を使って考えてみます。
42=16です。
16個の●の外側に、今度は縦横が5になるように●を並べてあげます。
42+5+5
しかしこの式では、隅っこの●が1個余分になってしまうので、1を引いてあげます。
42+5+5−1
この5+5−1が、●の数になります。
42+5+5−1=16+5+5−1=25
=52
となります。
では、5012を例に計算してみましょう。
この使い方で解くと、5002+501+501−1=250000+501+501−1=251001となります。
実際5012を計算すると、251001になります。
この●を使った二乗の考え方、実は結構色々な本に載っている考え方でして、それに次の数字の二乗の計算について自分なりのアレンジを加えてみました。
と、そんな感じでございます。 続きを読む
タグ :速算術
2012年01月12日
冬の天気。
雪が降ってます。ガンガン降ってます。ただいま日本は冬型の気圧配置に覆われています。
さて、冬型の気圧配置、とは?「西高東低」です。必ず一度は耳にした事があると思います。
昨日の気圧配置です。これこそ典型的な西高東低の気圧配置です。
日本の西側が高気圧に覆われ、東側が低気圧に覆われるので、西高東低と言います。
さて、「何でこれがこの様な天気をもたらすのか?」
というと、なかなか答えられない事が多いかもしれません。
今回はそんな内容です。
西高東低の話をする前に、まずは低気圧と高気圧の定義からです。
高気圧:周囲より高い気圧である。
低気圧:周囲より低い気圧である。
そのまんまです。でも、これを最初に確認しないと先には進めません。
日本が冬になると、ロシアの方にある大陸性の高気圧が発達して、日本の西部を覆うようになります。
この高気圧をシベリア気団と言います。
北方ロシア=「冷たい」、大陸性=「乾燥している」と言う事でこのシベリア気団、冷たく乾燥している気団なのです。
これが発達すると、先ほど申し上げた通り、シベリア気団は高気圧なので、
日本の西側の気圧は高くなり、そうすると相対的に日本の東側の気圧は低くなります。
あら不思議、西高東低だわ。
さて、では何でこれが西側に雪をもたらすのか、というところです。
日本列島を東西にぶった切ったらどうなるかを想像してみて下さい。
ど真ん中に山脈が連なっています。そしてそれは、西側にまでつながり、西側でストーン!と落ちます。日本海側には崖が多いのです。
シベリア気団は乾燥しています。だから、日本海を渡るときに海の湿気を吸って日本にやってきます。
↓
シベリア気団が日本にやってきました。冷たくて、海の湿気を持ってきました。
↓
シベリア気団は今度、山を越えなくてはなりません。日本海側には崖が多く、比較的標高が高いです。これを越えていきます。
↓
越えるには、勿論山の上を通過する必要があります。山の上を越える、と言う事は高い高度を通る、と言う事です。
↓
高度が高くなると、気温は低下します。大体ですが、100mで0.6度低くなります。気温が低くなると、空気中に含む事のできる水蒸気量が少なくなります。
↓
空気中の水蒸気量のキャパが小さくなると、オーバーした分は水滴として発生します。
結露がいい例です。また、夏場、冷たい飲み物の周りがビショビショになるアレもいい例です。
↓
標高が高いところってのは勿論零度を下回ってます。なので、オーバー分は水滴ではなく、氷として現れます。雪です。
↓
この様にして西側では雪が降ります。
さて、では東側ではどうでしょうか?
西側で雪を降らせて、高気圧は山を越えてきます。高気圧の持っていた日本海の湿気の多くをここで出し切ってしまいます。
↓
これが今度は山を下って日本の東側へと流れ込みます。標高が低くなると、気温が高くなるので、水蒸気のキャパは大きくなります。
↓
水蒸気のキャパが大きくなるけど、持っている水蒸気量は少ない。すなわち湿度が低い状態になる。
↓
東側は晴れて乾燥した天気になる。
こんな感じです。なので、まとめると。
西側:雪が多い
東側:晴れて乾燥している
という天気の特徴になります。
ちなみに、この気圧配置になると、北〜北西の風が強くなるので、非常に寒いです。
低気圧は半時計回りに吹き込む風を持って北〜北西へと進んでいきます。
だから、低気圧の西側は北〜北西の風になるので、つめた〜い風が吹いてくるのです。
そんな訳で、冬の天気について今日は書いてみました。 続きを読む
さて、冬型の気圧配置、とは?「西高東低」です。必ず一度は耳にした事があると思います。
昨日の気圧配置です。これこそ典型的な西高東低の気圧配置です。
日本の西側が高気圧に覆われ、東側が低気圧に覆われるので、西高東低と言います。
さて、「何でこれがこの様な天気をもたらすのか?」
というと、なかなか答えられない事が多いかもしれません。
今回はそんな内容です。
西高東低の話をする前に、まずは低気圧と高気圧の定義からです。
高気圧:周囲より高い気圧である。
低気圧:周囲より低い気圧である。
そのまんまです。でも、これを最初に確認しないと先には進めません。
日本が冬になると、ロシアの方にある大陸性の高気圧が発達して、日本の西部を覆うようになります。
この高気圧をシベリア気団と言います。
北方ロシア=「冷たい」、大陸性=「乾燥している」と言う事でこのシベリア気団、冷たく乾燥している気団なのです。
これが発達すると、先ほど申し上げた通り、シベリア気団は高気圧なので、
日本の西側の気圧は高くなり、そうすると相対的に日本の東側の気圧は低くなります。
あら不思議、西高東低だわ。
さて、では何でこれが西側に雪をもたらすのか、というところです。
日本列島を東西にぶった切ったらどうなるかを想像してみて下さい。
ど真ん中に山脈が連なっています。そしてそれは、西側にまでつながり、西側でストーン!と落ちます。日本海側には崖が多いのです。
シベリア気団は乾燥しています。だから、日本海を渡るときに海の湿気を吸って日本にやってきます。
↓
シベリア気団が日本にやってきました。冷たくて、海の湿気を持ってきました。
↓
シベリア気団は今度、山を越えなくてはなりません。日本海側には崖が多く、比較的標高が高いです。これを越えていきます。
↓
越えるには、勿論山の上を通過する必要があります。山の上を越える、と言う事は高い高度を通る、と言う事です。
↓
高度が高くなると、気温は低下します。大体ですが、100mで0.6度低くなります。気温が低くなると、空気中に含む事のできる水蒸気量が少なくなります。
↓
空気中の水蒸気量のキャパが小さくなると、オーバーした分は水滴として発生します。
結露がいい例です。また、夏場、冷たい飲み物の周りがビショビショになるアレもいい例です。
↓
標高が高いところってのは勿論零度を下回ってます。なので、オーバー分は水滴ではなく、氷として現れます。雪です。
↓
この様にして西側では雪が降ります。
さて、では東側ではどうでしょうか?
西側で雪を降らせて、高気圧は山を越えてきます。高気圧の持っていた日本海の湿気の多くをここで出し切ってしまいます。
↓
これが今度は山を下って日本の東側へと流れ込みます。標高が低くなると、気温が高くなるので、水蒸気のキャパは大きくなります。
↓
水蒸気のキャパが大きくなるけど、持っている水蒸気量は少ない。すなわち湿度が低い状態になる。
↓
東側は晴れて乾燥した天気になる。
こんな感じです。なので、まとめると。
西側:雪が多い
東側:晴れて乾燥している
という天気の特徴になります。
ちなみに、この気圧配置になると、北〜北西の風が強くなるので、非常に寒いです。
低気圧は半時計回りに吹き込む風を持って北〜北西へと進んでいきます。
だから、低気圧の西側は北〜北西の風になるので、つめた〜い風が吹いてくるのです。
そんな訳で、冬の天気について今日は書いてみました。 続きを読む
2012年01月11日
柘榴石を求めて。
先日、柘榴石を求めて長和町の和田峠まで行ってきました。
柘榴石(ざくろいし)とは何ぞや?と言う事ですが、ガーネットと言えばご存知でしょう。
あれの原石が和田峠で取れるそうなのです。
ちなみに柘榴石。
ガーネットというと赤色を想像しがちですが、成分によって様々な色になります。
柘榴石は、成分の違いで大きく分けて6種類。
「灰ばん柘榴石(以下柘榴石省略)」「苦ばん〜」「鉄ばん〜」「満ばん〜」「灰鉄〜」「灰クロム〜」。
「灰」のグループはカルシウムを含み、主に緑、黄色系、
「ばん」のグループはアルミニウムを含み、主に赤色系になります。
濃い赤色のガーネットはこの中でも、「苦ばん〜」「鉄ばん〜」に属します。
鉄ばん柘榴石の場合、化学組成はFe3Al2(SiO4)3で表されます。
化学組成で書くとなんのこっちゃ、って感じですが、要するには、
鉄原子:アルミニウム原子:水晶の分子= 3:2:3
の比で含まれているって事です。
菱形の十二面体や、台形の二十四面体の結晶で姿を現します。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
宝石には余り興味ないのですが、「鉱石」には興味のある私です。
今まで「水晶クラスタ」「紫水晶クラスタ」などを買ったり、硫黄や石灰石を拾ったりしていた私です。
ここ長野県の北信地方、意外に日帰り圏内で鉱石を取れる、という情報を耳にし、
しかも、和田峠では柘榴石が取れる、との事で、衝動に駆られたかのごとく、
半ば無計画で100km先の和田峠まで行ってきました。
とりあえず、和田峠に流れる川の上流付近まで行けばあるらしい、という情報を手に。
冬期通行止めの情報すら確認せずに。
で、車を走らせる事約2時間。着いたのがコチラ。
和田峠の某所の川です。
うん、こんな雪が積もっている1月に、石拾いをやろうとするバカはオレぐらいか。
とりあえず、ざるとスコップを持ってGO。
水は冷たい。そらそうだ、気温は零度近い。恐らく水温は5度無いでしょう。
身体ごと飛び込めば、間違いなく風邪引くでしょう。
で、スコップですくって、ザルに入れて、石を探して。
おーおーあるある。柘榴石ではなく、黒耀石が。
時々姿を見せる、幼虫など水中生物の子どもも。起こしてゴメン。
で、実はここ長和町は、明大の黒耀石研究センターがあり、
また、和田峠の通り沿いには「黒耀」という名前の施設や飲食店が幾つもあるくらい、
黒耀石がゴロゴロある場所だったりする。
で、黒耀石って何?ってとこですが。
一言で言えば、「黒みがかったガラス質の石」です。
とっても黒光りしている石で、昔、打製石器に良く使われていました。
日本中の様々な所にあったりします。
実は、普通に肉眼で川の中を見ても点在しているのが分かる。
そして、大きいのを見つけて足下を慎重に取りに行く・・・
川 に 落 ち た ! !
落ちたと言うか、左足が見事川ポチャ。
とんでもなくツメタイ。感覚が麻痺してくるくらい。
しかし、ここからは開き直って川の中を普通に突き進み、黒耀石を拾う。
ここまでで大体15分くらい。そろそろ冷たさがキツイ。
手が冷たい、足が冷たい。
と、言うわけで川から上がってこれにて終了。
収穫はこんな感じ。
割れて、表面がテカテカしているものもあれば、擦れて光沢の無いものもある。
真っ黒ですが、光に透かすとこんな感じで透明なのが分かります。
デカいのはこの2つ。
左は約3.5cm、右は約3cmってところ。
そして、個人的に気に入ったのはコチラ。
非常に小さい欠片なのですが、光に透かすと、奇麗な縞が横に平行に走っているのが分かります。
もちろん、お目当ての柘榴石はゼロ。
それらしい結晶体のものは取れてませんがな。
帰りは替えの履物を履いて、濡れた服を乾かすために暖房をガンガン焚いて、
約100kmの道のりを2時間掛けて帰って行きました。
と、そんな感じです。
日帰り圏内だと、新潟県糸魚川~富山県朝日町にかけて、翡翠がとれる所があります。
(ただし、採取禁止されている場所もあるので注意。また、今回の和田峠も、私有地でも採取は当然の事ながら禁止されているので注意。)
こちらもまた行ってみたいな、なんて思ってます。
南佐久郡南相木村には磁鉄鉱も。磁石を持ってGOですか。
こんな久々のフィールドワークも楽しいものです。
柘榴石(ざくろいし)とは何ぞや?と言う事ですが、ガーネットと言えばご存知でしょう。
あれの原石が和田峠で取れるそうなのです。
ちなみに柘榴石。
ガーネットというと赤色を想像しがちですが、成分によって様々な色になります。
柘榴石は、成分の違いで大きく分けて6種類。
「灰ばん柘榴石(以下柘榴石省略)」「苦ばん〜」「鉄ばん〜」「満ばん〜」「灰鉄〜」「灰クロム〜」。
「灰」のグループはカルシウムを含み、主に緑、黄色系、
「ばん」のグループはアルミニウムを含み、主に赤色系になります。
濃い赤色のガーネットはこの中でも、「苦ばん〜」「鉄ばん〜」に属します。
鉄ばん柘榴石の場合、化学組成はFe3Al2(SiO4)3で表されます。
化学組成で書くとなんのこっちゃ、って感じですが、要するには、
鉄原子:アルミニウム原子:水晶の分子= 3:2:3
の比で含まれているって事です。
菱形の十二面体や、台形の二十四面体の結晶で姿を現します。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
宝石には余り興味ないのですが、「鉱石」には興味のある私です。
今まで「水晶クラスタ」「紫水晶クラスタ」などを買ったり、硫黄や石灰石を拾ったりしていた私です。
ここ長野県の北信地方、意外に日帰り圏内で鉱石を取れる、という情報を耳にし、
しかも、和田峠では柘榴石が取れる、との事で、衝動に駆られたかのごとく、
半ば無計画で100km先の和田峠まで行ってきました。
とりあえず、和田峠に流れる川の上流付近まで行けばあるらしい、という情報を手に。
冬期通行止めの情報すら確認せずに。
で、車を走らせる事約2時間。着いたのがコチラ。
和田峠の某所の川です。
うん、こんな雪が積もっている1月に、石拾いをやろうとするバカはオレぐらいか。
とりあえず、ざるとスコップを持ってGO。
水は冷たい。そらそうだ、気温は零度近い。恐らく水温は5度無いでしょう。
身体ごと飛び込めば、間違いなく風邪引くでしょう。
で、スコップですくって、ザルに入れて、石を探して。
おーおーあるある。柘榴石ではなく、黒耀石が。
時々姿を見せる、幼虫など水中生物の子どもも。起こしてゴメン。
で、実はここ長和町は、明大の黒耀石研究センターがあり、
また、和田峠の通り沿いには「黒耀」という名前の施設や飲食店が幾つもあるくらい、
黒耀石がゴロゴロある場所だったりする。
で、黒耀石って何?ってとこですが。
一言で言えば、「黒みがかったガラス質の石」です。
とっても黒光りしている石で、昔、打製石器に良く使われていました。
日本中の様々な所にあったりします。
実は、普通に肉眼で川の中を見ても点在しているのが分かる。
そして、大きいのを見つけて足下を慎重に取りに行く・・・
川 に 落 ち た ! !
落ちたと言うか、左足が見事川ポチャ。
とんでもなくツメタイ。感覚が麻痺してくるくらい。
しかし、ここからは開き直って川の中を普通に突き進み、黒耀石を拾う。
ここまでで大体15分くらい。そろそろ冷たさがキツイ。
手が冷たい、足が冷たい。
と、言うわけで川から上がってこれにて終了。
収穫はこんな感じ。
割れて、表面がテカテカしているものもあれば、擦れて光沢の無いものもある。
真っ黒ですが、光に透かすとこんな感じで透明なのが分かります。
デカいのはこの2つ。
左は約3.5cm、右は約3cmってところ。
そして、個人的に気に入ったのはコチラ。
非常に小さい欠片なのですが、光に透かすと、奇麗な縞が横に平行に走っているのが分かります。
もちろん、お目当ての柘榴石はゼロ。
それらしい結晶体のものは取れてませんがな。
帰りは替えの履物を履いて、濡れた服を乾かすために暖房をガンガン焚いて、
約100kmの道のりを2時間掛けて帰って行きました。
と、そんな感じです。
日帰り圏内だと、新潟県糸魚川~富山県朝日町にかけて、翡翠がとれる所があります。
(ただし、採取禁止されている場所もあるので注意。また、今回の和田峠も、私有地でも採取は当然の事ながら禁止されているので注意。)
こちらもまた行ってみたいな、なんて思ってます。
南佐久郡南相木村には磁鉄鉱も。磁石を持ってGOですか。
こんな久々のフィールドワークも楽しいものです。
2012年01月10日
国家の品格 藤原正彦
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も何卒宜しくお願い申し上げます。
さて、今回のお話しですが、先日読み終わった、数学者藤原正彦氏の「国家の品格」です。
この本、大分前のベストセラーなのですが、非常に面白く読みすすめていきました。
今回はこの本を紹介しようと思います。
端的に言うと、今の日本に必要なものは「情緒」と「武士道精神」である。と言う事。
日本人は、自然やその事象から「情緒」を感じる事のできる能力、要するに「感受性」が、
他国よりも優れており、この事が日本の文化や国家を育んで来た。
19〜20世紀前半、アジア諸国が次々と植民地や占領地とされて行く中、日本は独特の文化が育まれており、
それが他国に対し、「植民地化させる事は無理だ」と思わせて、開国後も占領される事は無かった。
戦力では間違いなくヨーロッパ諸国が上回っていたにもかかわらず。
また、日本は世界の中で異質な存在であり続けるべきであり、一般的な存在、アメリカスタンダードに立ってはならない、
立ったら日本は世界に到底敵わず、退廃していく、と言う。
なるほど、確かに競争をする上で、また、自国の更なる発展を進める上で、相手の土俵に立つ、
普通そんなことあり得ないですわな。
国際人を育成する上でも、「英語」を勉強する前に、「日本史」や「国語」、「日本の文化」を勉強すべきである、という。
例え英語を話せても、自国の特徴や良さを知らなければ、何をする事もできない。
相手にとって、その人について魅力的な人とは感じられない。
それは国際人とは言えない。そして何より、英語圏では英語を話せる事が当たり前な訳ですし。
また、必要なのは「愛国心」ではなく「祖国愛」である、と言う事。
愛国心のような、自国の利益を追求するナショナリズムではなく、日本の自然や風土、文化、情緒を愛する「祖国愛」が必要である。
そして、その情緒を育む形として、「武士道精神」が必要である。
情緒を感じる心、弱者を思いやる心、誠実さ、忍耐強さ、勇気、卑怯を憎む心が、武士道精神にはある。
情緒が育まれれば、国家は成長する。
また、理論だけでは物事は破綻する。
理論と言うものには発端があり、そこから理論で結びつけていき、理論を成り立たせるわけだが、
その発端から遠くなればなるほど、その理論の信憑性は薄れていく。
また、発端は道徳心や概念であり、それは数多く存在し、矛盾をも引き起こす。
発端や道徳、概念部分が違えば、理論的に正しいものはいくらでもできる。
なるほど、確かに理論で片付かないものや解決しないものはいくらでもあるし、
十人居れば十通りの理論が存在する。
理論が道徳と矛盾してくる事も世の中には多くある。
今の経済は「神の見えざる手」によって・・・とあるが、「神の見えざる手」は本来あってはならない、とも言う。
アダム・スミスの「国富論」によって、人々は金の亡者になり、利己的な利潤追求によって、
弱者救済はままならないどころか経済破綻まで引き起こす。
これまで歴史上、何度も痛い目をあっているのに繰り返していることなのに。
私も、先のリーマンショックでそれを感じていた。
2008年9月、リーマンブラザーズが、サブプライムローンに多くの投資をし、
そして彼らは失敗して破綻し、その影響は世界中を巻き込んだ。
日本でも、多くの製造業が苦しみ、倒産した企業も多い。
全体的に見ても経済は少しずつ回復したともあるが、それは大企業のみの話。
大企業はこのことから、海外の安価な製品や部品へと走り、中小企業は回復のための伸びしろを奪われた。
非常に熱中して読み進めていける話です。
自分が忘れていた事や、当たり前でありながら目を逸らしていた事など、非常に考えさせられる内容です。
是非読んでみてはいかがでしょうか。おススメの1冊です。
さて、今回のお話しですが、先日読み終わった、数学者藤原正彦氏の「国家の品格」です。
この本、大分前のベストセラーなのですが、非常に面白く読みすすめていきました。
今回はこの本を紹介しようと思います。
端的に言うと、今の日本に必要なものは「情緒」と「武士道精神」である。と言う事。
日本人は、自然やその事象から「情緒」を感じる事のできる能力、要するに「感受性」が、
他国よりも優れており、この事が日本の文化や国家を育んで来た。
19〜20世紀前半、アジア諸国が次々と植民地や占領地とされて行く中、日本は独特の文化が育まれており、
それが他国に対し、「植民地化させる事は無理だ」と思わせて、開国後も占領される事は無かった。
戦力では間違いなくヨーロッパ諸国が上回っていたにもかかわらず。
また、日本は世界の中で異質な存在であり続けるべきであり、一般的な存在、アメリカスタンダードに立ってはならない、
立ったら日本は世界に到底敵わず、退廃していく、と言う。
なるほど、確かに競争をする上で、また、自国の更なる発展を進める上で、相手の土俵に立つ、
普通そんなことあり得ないですわな。
国際人を育成する上でも、「英語」を勉強する前に、「日本史」や「国語」、「日本の文化」を勉強すべきである、という。
例え英語を話せても、自国の特徴や良さを知らなければ、何をする事もできない。
相手にとって、その人について魅力的な人とは感じられない。
それは国際人とは言えない。そして何より、英語圏では英語を話せる事が当たり前な訳ですし。
また、必要なのは「愛国心」ではなく「祖国愛」である、と言う事。
愛国心のような、自国の利益を追求するナショナリズムではなく、日本の自然や風土、文化、情緒を愛する「祖国愛」が必要である。
そして、その情緒を育む形として、「武士道精神」が必要である。
情緒を感じる心、弱者を思いやる心、誠実さ、忍耐強さ、勇気、卑怯を憎む心が、武士道精神にはある。
情緒が育まれれば、国家は成長する。
また、理論だけでは物事は破綻する。
理論と言うものには発端があり、そこから理論で結びつけていき、理論を成り立たせるわけだが、
その発端から遠くなればなるほど、その理論の信憑性は薄れていく。
また、発端は道徳心や概念であり、それは数多く存在し、矛盾をも引き起こす。
発端や道徳、概念部分が違えば、理論的に正しいものはいくらでもできる。
なるほど、確かに理論で片付かないものや解決しないものはいくらでもあるし、
十人居れば十通りの理論が存在する。
理論が道徳と矛盾してくる事も世の中には多くある。
今の経済は「神の見えざる手」によって・・・とあるが、「神の見えざる手」は本来あってはならない、とも言う。
アダム・スミスの「国富論」によって、人々は金の亡者になり、利己的な利潤追求によって、
弱者救済はままならないどころか経済破綻まで引き起こす。
これまで歴史上、何度も痛い目をあっているのに繰り返していることなのに。
私も、先のリーマンショックでそれを感じていた。
2008年9月、リーマンブラザーズが、サブプライムローンに多くの投資をし、
そして彼らは失敗して破綻し、その影響は世界中を巻き込んだ。
日本でも、多くの製造業が苦しみ、倒産した企業も多い。
全体的に見ても経済は少しずつ回復したともあるが、それは大企業のみの話。
大企業はこのことから、海外の安価な製品や部品へと走り、中小企業は回復のための伸びしろを奪われた。
非常に熱中して読み進めていける話です。
自分が忘れていた事や、当たり前でありながら目を逸らしていた事など、非常に考えさせられる内容です。
是非読んでみてはいかがでしょうか。おススメの1冊です。
2011年12月19日
化学に魅せられて 白川英樹
今日読み終わった本です。2000年にノーベル化学賞を受賞した筑波大学名誉教授の白川英樹博士が、2001年に出した著書です。
彼は導電性高分子ポリアセチレンを発見し、分析し、発展させた事で受賞した研究者です。
高分子とはなんぞや?簡単に言うと、プラスチックやゴム、タンパク質やデンプン、紙などを指します。
ポリアセチレンはプラスチックです。要するに導電性プラスチックって何?って事ですが、
その名の通り、電気を通すプラスチックの事を言います。
彼は、それを発見し、そして発展させていったのです。
「プラスチックは電気を通す?通さない?」と聞かれると、殆どの人が「通さない」と答えると思います。
そんな常識を覆す様な物質を「材料」という形にし、研究をしていった人なのです。
ご存知の通り、金属は電気を通します。
金属は、自由電子と言うものが存在し、電圧をかけると一方向に電子が動くようになる、という原理からです。
一方、プラスチックをはじめとする高分子材料は、この自由電子と言うものが存在しません。
そして、その化学的構造から電気を通さないものが殆どです。
しかし例外として、ごく少数ですが、電気を通すプラスチックがあるのです。
その代表が、白川英樹教授の研究してきた「ポリアセチレン」なのです。
更に、臭素やヨウ素をドーピングすると、更に1000万倍も電気伝導が向上する、というのです。
化学的に説明すると(大学レベルの化学の話なので読み飛ばしてもらって構いません)
ポリアセチレンの化学構造は、分子モデルで書くと、単結合-二重結合-単結合-二重結合-・・・という形で主鎖を持ちます。
単結合はsp3でσ結合、二重結合はsp2でπ結合です。
このポリアセチレンの主鎖においては共役二重結合がずーっと連なって行きます。
ポリアセチレン全体としては「1.5重結合」という形になります。
共役二重結合によってπ電子の重なりがずーっと連なって行くと、ある程度電子が動けるようになってきます。
二重結合はハロゲン元素と反応しやすく、電子の受け渡しが行われると、ポリアセチレンはカルボカチオン(陽イオン)になり、
その+になったところに電子が移動し、それによってまた+になったところにまた電子が移動し、と、
電子が動くようになり、更に電気伝導性が増す、という事です。
本の内容としては、大学レベルの化学の内容が出てくるので、恐らく化学に知識がないと、ポリアセチレンの説明部分は読みにくいかもしれません。
反対に、大学で化学を勉強してきた人には非常に楽しく読める内容かと思います。
その他、インタビュー形式で、
白川英樹教授は幼少時代について書かれており、典型的な理系少年であったと言う内容であったり、
アメリカの大学から招待され、渡米して研究した時に感じた、日本とアメリカの研究環境の違い、
例えば、日本は基礎研究に関して予算が非常に少なく、特に官庁や国公立にその傾向が強い事や、
アメリカの教授は研究内容が実用レベルに近づいてきたらベンチャー企業を作るのに対し、日本、特に国公立の教授はそれができない事、
などが書かれています。
白川教授の少年時代の話には非常に共感出来る事が多く、私も化学を専攻しようと思った時の気持ちが思い出さされる気がしました。
アニメやマンガで出てくる「実験⇒混ぜ合わせる⇒爆発」あれにあこがれを少年時代に抱いていたのがきっかけでした。
そんな訳で、私としてはこの本は非常に楽しく読める内容でありました。 続きを読む
彼は導電性高分子ポリアセチレンを発見し、分析し、発展させた事で受賞した研究者です。
高分子とはなんぞや?簡単に言うと、プラスチックやゴム、タンパク質やデンプン、紙などを指します。
ポリアセチレンはプラスチックです。要するに導電性プラスチックって何?って事ですが、
その名の通り、電気を通すプラスチックの事を言います。
彼は、それを発見し、そして発展させていったのです。
「プラスチックは電気を通す?通さない?」と聞かれると、殆どの人が「通さない」と答えると思います。
そんな常識を覆す様な物質を「材料」という形にし、研究をしていった人なのです。
ご存知の通り、金属は電気を通します。
金属は、自由電子と言うものが存在し、電圧をかけると一方向に電子が動くようになる、という原理からです。
一方、プラスチックをはじめとする高分子材料は、この自由電子と言うものが存在しません。
そして、その化学的構造から電気を通さないものが殆どです。
しかし例外として、ごく少数ですが、電気を通すプラスチックがあるのです。
その代表が、白川英樹教授の研究してきた「ポリアセチレン」なのです。
更に、臭素やヨウ素をドーピングすると、更に1000万倍も電気伝導が向上する、というのです。
化学的に説明すると(大学レベルの化学の話なので読み飛ばしてもらって構いません)
ポリアセチレンの化学構造は、分子モデルで書くと、単結合-二重結合-単結合-二重結合-・・・という形で主鎖を持ちます。
単結合はsp3でσ結合、二重結合はsp2でπ結合です。
このポリアセチレンの主鎖においては共役二重結合がずーっと連なって行きます。
ポリアセチレン全体としては「1.5重結合」という形になります。
共役二重結合によってπ電子の重なりがずーっと連なって行くと、ある程度電子が動けるようになってきます。
二重結合はハロゲン元素と反応しやすく、電子の受け渡しが行われると、ポリアセチレンはカルボカチオン(陽イオン)になり、
その+になったところに電子が移動し、それによってまた+になったところにまた電子が移動し、と、
電子が動くようになり、更に電気伝導性が増す、という事です。
本の内容としては、大学レベルの化学の内容が出てくるので、恐らく化学に知識がないと、ポリアセチレンの説明部分は読みにくいかもしれません。
反対に、大学で化学を勉強してきた人には非常に楽しく読める内容かと思います。
その他、インタビュー形式で、
白川英樹教授は幼少時代について書かれており、典型的な理系少年であったと言う内容であったり、
アメリカの大学から招待され、渡米して研究した時に感じた、日本とアメリカの研究環境の違い、
例えば、日本は基礎研究に関して予算が非常に少なく、特に官庁や国公立にその傾向が強い事や、
アメリカの教授は研究内容が実用レベルに近づいてきたらベンチャー企業を作るのに対し、日本、特に国公立の教授はそれができない事、
などが書かれています。
白川教授の少年時代の話には非常に共感出来る事が多く、私も化学を専攻しようと思った時の気持ちが思い出さされる気がしました。
アニメやマンガで出てくる「実験⇒混ぜ合わせる⇒爆発」あれにあこがれを少年時代に抱いていたのがきっかけでした。
そんな訳で、私としてはこの本は非常に楽しく読める内容でありました。 続きを読む
タグ :化学
2011年12月13日
地球の内部で何が起こっているのか? 平朝彦他
昨日、この本を読み終わりました。
「地球の内部で何が起こっているのか?」という新書でして、海洋研究開発機構の4人のスタッフによる著書です。
地球や生命の成り立ちを調べるために、地球深部探査船「ちきゅう」により、
深海底を掘り下げていって、地層を調べる、という取り組みの内容が中心ですが、
地球や生命の成り立ちの他にも地震のメカニズムについてであったり、
メタンハイドレートの利用による資源開発についても分かりやすく書かれています。
これまで様々な地質学者が様々な分析や研究をした結果、
地球は、まず一番外側に、我々が日常過ごしている地殻があり、その下にマントルがあり、更にその下には外殻、内殻で構成されている、と考えられています。
また、地殻も上層と下層で分けられ、上層は花崗岩質、下層は玄武岩質で構成されており、
地殻とマントルの間には、モホロビチッチ不連続面(モホ面)があるとされています。
今、「考えられている」「されている」といいました。実際目では確認されていないからです。
今現在、海底を掘り下げていって、到達した部分はモホ面までです。それでも苦労に苦労を重ねてやっとの状態です。
地底を掘り下げていくと、マグマの熱などでどんどん高温になっていく上に、地層も硬い、これにより、掘削ドリルの刃がやられてしまう。
それに加えて、不意に石油や天然ガスが発生し、続行が危険になることもある。
しかし、深海底を掘り下げていき、地層や構成物質、微生物などを調べていく事により、
地球や生命の成り立ち、46億年もの地球の歴史、地震のメカニズム、多くの事を知る事が出来ます。
なんともロマンチックな研究ではないか、と思います。
地震を語る上で基本となる学説に、「プレートテクトニクス」があります。
地殻はおおざっぱには「大陸プレート」(主に陸地)と「海洋プレート」(主に海底)に分けられ、その境界が海溝です。
大陸プレートよりも、海洋プレートの方が密度が大きく、地殻変動によって海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みます。
その時に境界で起こる応力の反動で地震が発生する、というのがプレートテクトニクスです。簡単に言うとですが。
日本列島は4枚のプレートに囲まれていて、世界有数の地震地帯であります。
しかし、それだけ地質学的に興味深い場所でもあります。
「日本が主導になって、地球の科学を解明していく」ということが進められていて、
それが、地球深部探査船「ちきゅう」による活動です。
今、プレートテクトニクスだけでなく、マントルの対流を考慮に入れた「プルームテクトニクス」という学説もあります。
「対流」というと「え?マントルって液体?」と思うかもしれませんが、
マントルは固体です。ただし、高温になるとマントルは柔らかくなり、そして液体へと状態変化します。
この「固体⇔柔らかい⇔液体」によってそれぞれ地震の伝達しやすさが変わってきます。
これが、プルームテクトニクスです。
こればっかりは、実際にマントルを調べてみないと分からないわけです。
と、こういった内容が比較的分かりやすく書いてあります。
多少の地学の知識があれば読めるレベルでして、地学が苦手な方でも楽しく読める面白い内容となっています。
高校では化学と物理を専攻していましたので、私自身、地学の知識は中学レベルで止まっている程度です。でも、理解して読む事ができます。
宇宙開発が非常に注目されており、地球科学はなかなか日の目を見ない分野ですが、
地理的な面もあり、日本が世界の先頭に立って取り組んでいる分野でして、
非常に期待を寄せたい、そしてロマンチックな研究だな、とおもいます。
「地球の内部で何が起こっているのか?」という新書でして、海洋研究開発機構の4人のスタッフによる著書です。
地球や生命の成り立ちを調べるために、地球深部探査船「ちきゅう」により、
深海底を掘り下げていって、地層を調べる、という取り組みの内容が中心ですが、
地球や生命の成り立ちの他にも地震のメカニズムについてであったり、
メタンハイドレートの利用による資源開発についても分かりやすく書かれています。
これまで様々な地質学者が様々な分析や研究をした結果、
地球は、まず一番外側に、我々が日常過ごしている地殻があり、その下にマントルがあり、更にその下には外殻、内殻で構成されている、と考えられています。
また、地殻も上層と下層で分けられ、上層は花崗岩質、下層は玄武岩質で構成されており、
地殻とマントルの間には、モホロビチッチ不連続面(モホ面)があるとされています。
今、「考えられている」「されている」といいました。実際目では確認されていないからです。
今現在、海底を掘り下げていって、到達した部分はモホ面までです。それでも苦労に苦労を重ねてやっとの状態です。
地底を掘り下げていくと、マグマの熱などでどんどん高温になっていく上に、地層も硬い、これにより、掘削ドリルの刃がやられてしまう。
それに加えて、不意に石油や天然ガスが発生し、続行が危険になることもある。
しかし、深海底を掘り下げていき、地層や構成物質、微生物などを調べていく事により、
地球や生命の成り立ち、46億年もの地球の歴史、地震のメカニズム、多くの事を知る事が出来ます。
なんともロマンチックな研究ではないか、と思います。
地震を語る上で基本となる学説に、「プレートテクトニクス」があります。
地殻はおおざっぱには「大陸プレート」(主に陸地)と「海洋プレート」(主に海底)に分けられ、その境界が海溝です。
大陸プレートよりも、海洋プレートの方が密度が大きく、地殻変動によって海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込みます。
その時に境界で起こる応力の反動で地震が発生する、というのがプレートテクトニクスです。簡単に言うとですが。
日本列島は4枚のプレートに囲まれていて、世界有数の地震地帯であります。
しかし、それだけ地質学的に興味深い場所でもあります。
「日本が主導になって、地球の科学を解明していく」ということが進められていて、
それが、地球深部探査船「ちきゅう」による活動です。
今、プレートテクトニクスだけでなく、マントルの対流を考慮に入れた「プルームテクトニクス」という学説もあります。
「対流」というと「え?マントルって液体?」と思うかもしれませんが、
マントルは固体です。ただし、高温になるとマントルは柔らかくなり、そして液体へと状態変化します。
この「固体⇔柔らかい⇔液体」によってそれぞれ地震の伝達しやすさが変わってきます。
これが、プルームテクトニクスです。
こればっかりは、実際にマントルを調べてみないと分からないわけです。
と、こういった内容が比較的分かりやすく書いてあります。
多少の地学の知識があれば読めるレベルでして、地学が苦手な方でも楽しく読める面白い内容となっています。
高校では化学と物理を専攻していましたので、私自身、地学の知識は中学レベルで止まっている程度です。でも、理解して読む事ができます。
宇宙開発が非常に注目されており、地球科学はなかなか日の目を見ない分野ですが、
地理的な面もあり、日本が世界の先頭に立って取り組んでいる分野でして、
非常に期待を寄せたい、そしてロマンチックな研究だな、とおもいます。
タグ :地学
2011年12月05日
量子論をちょっと。その1
先日、この本を読み始めました。今も読んでいる最中です。
「シュレーディンガーのジレンマと夢」
シュレーディンガーという人は、20世紀前半の量子学の研究者です。
その人と量子論のお話です。
ちなみにおことわりですが、
量子論については未だ解明されていない点があり、色々な説がありますが、
量子論について議論する気は全くない事だけご承知下さい。
私はこの分野に関しては、本やテキストを読んでいるだけのただの素人です。
「シュレーディンガーの猫」という話は聞いた事がある人がいるかと思います。
放射線物質の近くにガイガーカウンターを設置し、ガイガーカウンターが作動すると青酸カリウムの入った瓶が割れる、
という箱形の装置に猫を閉じ込めた時、猫の生死は箱の中を確認するまで分からない、
つまり猫は生きている状態と死んでいる状態が重なり合った状態である。
ってヤツです。
精密に言うと、この表現を使って、
「電子は、観測されるまで存在する状態と存在しない状態が重なり合った状態である。統計、確率で状態を表す。」
という量子論を説いたグループ(コペンハーゲン派と言います、特にボーア、ボラン)に対して、
シュレーディンガーの猫の理論で
「箱の中の猫が、観測されるまで生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている、んなバカなことあるか」
と批判したのです。
しかし、実際のところ、この「シュレーディンガーの猫」の解釈は未だ明らかになっていません。
さて、この量子論ですが、理系を専攻した人、特に物理と化学を専攻した人はこの壁にぶつかった経験が多いかと思います。
私も大学時代、意味が分からなくて大嫌いでした。最近ようやく少しずつ理解してきました。
それで思った事は、
「量子の世界は物理学者の空想と理論で繰り広げられる、神秘的で夢のある、ステキな世界だ」
と言う事です。
量子は確認できない。確認するには量子を止める必要がある。でも、量子を止めると正確な観測ができない。
そんな量子の世界、まだまだ私自身も勉強不足な部分が多々ありますが、ここでちょこちょこっと書いていこうか、と思います。
さて、まず「量子って何よ。」ってトコだと思います。
量子ってのは微細な粒子の総称です。どれだけ微細か、というと肉眼では見えません。分子より小さいサイズです。
物質は分子で構成され、分子は原子で構成され、原子は原子核と電子で構成され、原子核は中性子と陽子で構成され、
そして更に小さくすると、クォーク、ひも状理論、超ひも状理論・・・。
最小単位は未だ明らかになっていません。
その分野の研究が量子論であり、量子力学であり、量子化学であり、量子物理であります。
事の始まりは18世紀か19世紀か忘れましたが、光について。
光には粒子の性質もあり、波の性質もあることから、
「光は粒子である」という人々と「光は波である」という人々が対立しました。
光の粒子の性質・・・例えば「等角度で反射する」
光の波の性質・・・例えば「等角度で反射する」「干渉(2つの波が強め合ったり弱め合ったりする)や回折(小さいところに入り込もうとする)の性質を持つ」
と言うところです。
実は「光が粒子である」とすると矛盾が発生する部分が幾つか出てくるので、「光は波である」というのが一般的と思いきや、
その反面で「光は粒子である」とする事で説明できる現象をあったりもします。
かの有名な、私も尊敬するアインシュタインは、
「光量子理論」という形で「光=粒子」として説明した事例があります。
光のエネルギーの理論である「光電効果」[E=hν]がそれです。
「ある光を金属に当てると、金属から電子が飛び出す」という現象です。
当てる光の振動数が大きければ、飛び出す電子のエネルギーは大きくなるが、量は変わらない。
当てる光を強くすれば、飛び出す電子の量は多くなるが、エネルギーは変わらない。
と言うものです。
「光は波で粒子ではない」とすると、この現象は説明できなくなってしまう様です。
紫外線(=振動数が大きい)は日焼けの原因になる、対して赤外線(=振動数が小さい)は身体を暖め、浴び続けても、強くしても日焼けしない。
これは光を粒子としてみたとき、紫外線の方がエネルギーが大きいからです。
これを説明するにも、光を粒子として、光の粒子のエネルギーで考えないといけなくなります。
20世紀に入って、「光は粒子と波の二面性を持つ」と言うようになりました。
今はどうなんでしょうか。この定義はネットで調べる限りでは変わりない様です。
こんなところから、量子論の議論が始まっていきます。
もうこの時点で色々混乱してきます。
今回はこんなところで。
「シュレーディンガーのジレンマと夢」
シュレーディンガーという人は、20世紀前半の量子学の研究者です。
その人と量子論のお話です。
ちなみにおことわりですが、
量子論については未だ解明されていない点があり、色々な説がありますが、
量子論について議論する気は全くない事だけご承知下さい。
私はこの分野に関しては、本やテキストを読んでいるだけのただの素人です。
「シュレーディンガーの猫」という話は聞いた事がある人がいるかと思います。
放射線物質の近くにガイガーカウンターを設置し、ガイガーカウンターが作動すると青酸カリウムの入った瓶が割れる、
という箱形の装置に猫を閉じ込めた時、猫の生死は箱の中を確認するまで分からない、
つまり猫は生きている状態と死んでいる状態が重なり合った状態である。
ってヤツです。
精密に言うと、この表現を使って、
「電子は、観測されるまで存在する状態と存在しない状態が重なり合った状態である。統計、確率で状態を表す。」
という量子論を説いたグループ(コペンハーゲン派と言います、特にボーア、ボラン)に対して、
シュレーディンガーの猫の理論で
「箱の中の猫が、観測されるまで生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている、んなバカなことあるか」
と批判したのです。
しかし、実際のところ、この「シュレーディンガーの猫」の解釈は未だ明らかになっていません。
さて、この量子論ですが、理系を専攻した人、特に物理と化学を専攻した人はこの壁にぶつかった経験が多いかと思います。
私も大学時代、意味が分からなくて大嫌いでした。最近ようやく少しずつ理解してきました。
それで思った事は、
「量子の世界は物理学者の空想と理論で繰り広げられる、神秘的で夢のある、ステキな世界だ」
と言う事です。
量子は確認できない。確認するには量子を止める必要がある。でも、量子を止めると正確な観測ができない。
そんな量子の世界、まだまだ私自身も勉強不足な部分が多々ありますが、ここでちょこちょこっと書いていこうか、と思います。
さて、まず「量子って何よ。」ってトコだと思います。
量子ってのは微細な粒子の総称です。どれだけ微細か、というと肉眼では見えません。分子より小さいサイズです。
物質は分子で構成され、分子は原子で構成され、原子は原子核と電子で構成され、原子核は中性子と陽子で構成され、
そして更に小さくすると、クォーク、ひも状理論、超ひも状理論・・・。
最小単位は未だ明らかになっていません。
その分野の研究が量子論であり、量子力学であり、量子化学であり、量子物理であります。
事の始まりは18世紀か19世紀か忘れましたが、光について。
光には粒子の性質もあり、波の性質もあることから、
「光は粒子である」という人々と「光は波である」という人々が対立しました。
光の粒子の性質・・・例えば「等角度で反射する」
光の波の性質・・・例えば「等角度で反射する」「干渉(2つの波が強め合ったり弱め合ったりする)や回折(小さいところに入り込もうとする)の性質を持つ」
と言うところです。
実は「光が粒子である」とすると矛盾が発生する部分が幾つか出てくるので、「光は波である」というのが一般的と思いきや、
その反面で「光は粒子である」とする事で説明できる現象をあったりもします。
かの有名な、私も尊敬するアインシュタインは、
「光量子理論」という形で「光=粒子」として説明した事例があります。
光のエネルギーの理論である「光電効果」[E=hν]がそれです。
「ある光を金属に当てると、金属から電子が飛び出す」という現象です。
当てる光の振動数が大きければ、飛び出す電子のエネルギーは大きくなるが、量は変わらない。
当てる光を強くすれば、飛び出す電子の量は多くなるが、エネルギーは変わらない。
と言うものです。
「光は波で粒子ではない」とすると、この現象は説明できなくなってしまう様です。
紫外線(=振動数が大きい)は日焼けの原因になる、対して赤外線(=振動数が小さい)は身体を暖め、浴び続けても、強くしても日焼けしない。
これは光を粒子としてみたとき、紫外線の方がエネルギーが大きいからです。
これを説明するにも、光を粒子として、光の粒子のエネルギーで考えないといけなくなります。
20世紀に入って、「光は粒子と波の二面性を持つ」と言うようになりました。
今はどうなんでしょうか。この定義はネットで調べる限りでは変わりない様です。
こんなところから、量子論の議論が始まっていきます。
もうこの時点で色々混乱してきます。
今回はこんなところで。
タグ :量子
2011年12月01日
フェルマーの最終定理 サイモン・シン
「『n≧3の自然数nにおいて、Xn+Yn=Znを満たすような自然数X,Y,Zの組み合わせは、(0,0,0)以外に存在しない』
私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
17世紀の数学者フェルマーがこの言葉を残し、
その後1993年アメリカの数学者アンドリュー・ワイルズがこれを証明するまでの250年もの間、
多くの数学者が挑み続けた。
そして、彼らは数学人生を捧げ、そして証明できないまま生涯を終えた。
『n≧3の自然数nにおいて、Xn+Yn=Znを満たす自然数X,Y,Zの組み合わせは、(0,0,0)以外に存在しない』
というシンプルな命題に多くの数学者たちは誘惑されて、そして散っていった。
アンドリュー・ワイルズも、この証明を発表した後、致命的欠陥が発見され、
それを補うために、世界が注目する中で1年間の苦悩の日々を送った。
そんなフェルマーの最終定理の証明を追い続けた多くの数学者たちと、これを証明したアンドリュー・ワイルズのドキュメントを、
数学の歴史的背景とともに綴ったノンフィクション小説です。
数学が分からない人、苦手な人でも、この小説は非常にドキドキして読めるでしょうし、
数学が好きな人や理系の人には、様々な定理が分かりやすく書いてあり、
数学の面白さや魅力も知ることができると思います。
この本を書いたサイモン・シンは素粒子を専攻した物理学出身のライターですが、
彼が数学に対して感じ、伝えている「科学に無い数学の魅力」には非常に共感できるものでした。
つまり、
科学的証明は、つねにどこか大なり小なりの曖昧さが存在し、その科学的理論が反証されれば、塗り替えられる。
しかし、数学的証明に曖昧さは無く、絶対である。
という点です。
約500ページにわたる小説ですが、是非読んでみてはいかがでしょうか?
私は、常にシャーペンを持ちながら読んでいて、小説がメモ書きだらけになりました。 続きを読む
私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」
17世紀の数学者フェルマーがこの言葉を残し、
その後1993年アメリカの数学者アンドリュー・ワイルズがこれを証明するまでの250年もの間、
多くの数学者が挑み続けた。
そして、彼らは数学人生を捧げ、そして証明できないまま生涯を終えた。
『n≧3の自然数nにおいて、Xn+Yn=Znを満たす自然数X,Y,Zの組み合わせは、(0,0,0)以外に存在しない』
というシンプルな命題に多くの数学者たちは誘惑されて、そして散っていった。
アンドリュー・ワイルズも、この証明を発表した後、致命的欠陥が発見され、
それを補うために、世界が注目する中で1年間の苦悩の日々を送った。
そんなフェルマーの最終定理の証明を追い続けた多くの数学者たちと、これを証明したアンドリュー・ワイルズのドキュメントを、
数学の歴史的背景とともに綴ったノンフィクション小説です。
数学が分からない人、苦手な人でも、この小説は非常にドキドキして読めるでしょうし、
数学が好きな人や理系の人には、様々な定理が分かりやすく書いてあり、
数学の面白さや魅力も知ることができると思います。
この本を書いたサイモン・シンは素粒子を専攻した物理学出身のライターですが、
彼が数学に対して感じ、伝えている「科学に無い数学の魅力」には非常に共感できるものでした。
つまり、
科学的証明は、つねにどこか大なり小なりの曖昧さが存在し、その科学的理論が反証されれば、塗り替えられる。
しかし、数学的証明に曖昧さは無く、絶対である。
という点です。
約500ページにわたる小説ですが、是非読んでみてはいかがでしょうか?
私は、常にシャーペンを持ちながら読んでいて、小説がメモ書きだらけになりました。 続きを読む
2011年11月24日
「何の三乗か」を推理する方法。
前回、「何の二乗か」を推理する方法をブログに書きました。
実は、前回一緒に三乗についても書こうと思ったのですが、二乗だけで大分スペースを食ってしまいました。
なので、前回は二乗だけとし、今回は三乗について書きたいと思います。
ただ、こちらも2ケタの三乗までなら、比較的使えるのではないかと思います。
例えばこんな問題。
【問題】157464は何の三乗か?
正直イヤです。こんな問題真っ向から解きたくないです。
しかし、これを見破る方法があるのです。
基本的な操作は、前回の「二乗を見破る方法」と一緒です。
つまり、
(1).一の位に注目する事
(2).百の位以上に注目する事
です。
(1).一の位に注目する。
実は、前回の追記として書いたのですが、三乗した数には面白い法則があります。
それは、三乗した数字の一の位が同じ数になる一ケタの数字は1つしかない、ということです。
実際に書き出してみましょう。太字のところを注目してみて下さい。
13=1
23=8
33=27
43=64
53=125
63=216
73=343
83=512
93=729
03=0
ね?
今回、157464の末尾の数字は「4」なので、求める数の一の位は「4」である事が分かります。
(2).百の位以上に注目する事
次に、求める数の十の位を探します。
百の位以上を注目すると、「157400」です。
さて、ここでちょっと面倒ですが、三乗するとその近辺になる数字を10づつ書き出してみます。
403=64000
503=125000
603=216000
これより、
503<157400<603
と言う事が分かります。
よって、求める数の十の位の数は「5」です。
したがって、(1)と(2)から、
157464は54の三乗である
と言うように求める事が出来ます。
数字は非常に面白いです。
今、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」という本を読んでいるのですが、
非常に数学は深く、様々な法則や規則があって、面白いものだと感じます。
数学者たちは、数学を「美しいもの」として追求しています。それには非常に共感できます。
興味がありましたら、コチラも是非読んでみてはいかがでしょうか。
実は、前回一緒に三乗についても書こうと思ったのですが、二乗だけで大分スペースを食ってしまいました。
なので、前回は二乗だけとし、今回は三乗について書きたいと思います。
ただ、こちらも2ケタの三乗までなら、比較的使えるのではないかと思います。
例えばこんな問題。
【問題】157464は何の三乗か?
正直イヤです。こんな問題真っ向から解きたくないです。
しかし、これを見破る方法があるのです。
基本的な操作は、前回の「二乗を見破る方法」と一緒です。
つまり、
(1).一の位に注目する事
(2).百の位以上に注目する事
です。
(1).一の位に注目する。
実は、前回の追記として書いたのですが、三乗した数には面白い法則があります。
それは、三乗した数字の一の位が同じ数になる一ケタの数字は1つしかない、ということです。
実際に書き出してみましょう。太字のところを注目してみて下さい。
13=1
23=8
33=27
43=64
53=125
63=216
73=343
83=512
93=729
03=0
ね?
今回、157464の末尾の数字は「4」なので、求める数の一の位は「4」である事が分かります。
(2).百の位以上に注目する事
次に、求める数の十の位を探します。
百の位以上を注目すると、「157400」です。
さて、ここでちょっと面倒ですが、三乗するとその近辺になる数字を10づつ書き出してみます。
403=64000
503=125000
603=216000
これより、
503<157400<603
と言う事が分かります。
よって、求める数の十の位の数は「5」です。
したがって、(1)と(2)から、
157464は54の三乗である
と言うように求める事が出来ます。
数字は非常に面白いです。
今、サイモン・シンの「フェルマーの最終定理」という本を読んでいるのですが、
非常に数学は深く、様々な法則や規則があって、面白いものだと感じます。
数学者たちは、数学を「美しいもの」として追求しています。それには非常に共感できます。
興味がありましたら、コチラも是非読んでみてはいかがでしょうか。
2011年11月24日
「何の二乗か」を推理する方法。
数学を連投です。化学が専門なのに。
まー書きやすいんです、数学は。マイブームもあって。
今回は「何の二乗か」を推理する方法です。
せいぜい2ケタの二乗までで、3ケタの二乗以上になると非常に大変になるかと思いますが、
使えると、試験の計算問題などに非常に便利だったりします。
例題)7569は何の二乗であるか。
正直「はぁ?」って感じです。しかし、これを予測する方法があります。
ポイントは、
(1).一の位に注目する事
(2).百の位以上に注目する事
この2つです。
(1).まず一の位に注目します。→「9」です。
二乗した数の一の位が「9」になるには、一の位の数字が「3」(→3×3=9)か「7」(→7×7=49)のどちらかです。
(2).百の位以上に注目します。→7500です。
802=6400です。
902=8100です。
なので、802<7569<902
と言う事が分かります。
したがって、求める数字の十の位は「8」と言う事が分かります。
これより、二乗すると7569になる数字は、83か87のどちらかに簡単に絞る事ができます。
ここから先は2つの方法があります。「一つはテキトーにやる。」もう一つは「実際に両方を求めてみる。」です。
●テキトーにやる。
7569は、802=6400よりも902=8100に近いから、83じゃなくて87だろ。
●実際に両方を求めてみる。
→以前紹介した「速算術-1[2ケタの二乗を速く解く。]」を使う。
832=6409+480=6889
872=6449+1120=7569
と、言うわけで正解は87の二乗です。
ちなみに「(1).一の位に注目する」ですが、面白い法則があります。
書き出してみると分かるのですが、
二乗した数字の一の位が同じ数になる一ケタの数字は多くて2つで、しかもその2つを足すと10になります。
1→1(12=1),9(92=81)→1+9=10
4→2(22=4),8(82=64)→2+8=10
5→5のみ(52=25)→5+5=10
6→4(42=16),6(62=36)→4+6=10
9→3(32=9),7(72=49)→7+3=10
0→0のみ
※二乗すると一の位が2,3,7,8になる整数はありません。
そんな感じの手順でやれば、「何の二乗か」を推理する事が可能になってきます。
ちなみに「何の三乗か」を推理する方法もあります。
三乗についても面白い法則がありますので、その際に一緒に紹介しようと思います。
と言うわけで以上です。
続きを読む
まー書きやすいんです、数学は。マイブームもあって。
今回は「何の二乗か」を推理する方法です。
せいぜい2ケタの二乗までで、3ケタの二乗以上になると非常に大変になるかと思いますが、
使えると、試験の計算問題などに非常に便利だったりします。
例題)7569は何の二乗であるか。
正直「はぁ?」って感じです。しかし、これを予測する方法があります。
ポイントは、
(1).一の位に注目する事
(2).百の位以上に注目する事
この2つです。
(1).まず一の位に注目します。→「9」です。
二乗した数の一の位が「9」になるには、一の位の数字が「3」(→3×3=9)か「7」(→7×7=49)のどちらかです。
(2).百の位以上に注目します。→7500です。
802=6400です。
902=8100です。
なので、802<7569<902
と言う事が分かります。
したがって、求める数字の十の位は「8」と言う事が分かります。
これより、二乗すると7569になる数字は、83か87のどちらかに簡単に絞る事ができます。
ここから先は2つの方法があります。「一つはテキトーにやる。」もう一つは「実際に両方を求めてみる。」です。
●テキトーにやる。
7569は、802=6400よりも902=8100に近いから、83じゃなくて87だろ。
●実際に両方を求めてみる。
→以前紹介した「速算術-1[2ケタの二乗を速く解く。]」を使う。
832=6409+480=6889
872=6449+1120=7569
と、言うわけで正解は87の二乗です。
ちなみに「(1).一の位に注目する」ですが、面白い法則があります。
書き出してみると分かるのですが、
二乗した数字の一の位が同じ数になる一ケタの数字は多くて2つで、しかもその2つを足すと10になります。
1→1(12=1),9(92=81)→1+9=10
4→2(22=4),8(82=64)→2+8=10
5→5のみ(52=25)→5+5=10
6→4(42=16),6(62=36)→4+6=10
9→3(32=9),7(72=49)→7+3=10
0→0のみ
※二乗すると一の位が2,3,7,8になる整数はありません。
そんな感じの手順でやれば、「何の二乗か」を推理する事が可能になってきます。
ちなみに「何の三乗か」を推理する方法もあります。
三乗についても面白い法則がありますので、その際に一緒に紹介しようと思います。
と言うわけで以上です。
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2011年11月23日
覚えておくと計算が楽になる数値たち。
と、言うわけで。
今回は「覚えておくと計算が楽になる数値たち」と言う事で、
覚えておくと高校や大学受験はモチロン、実生活でも役に立つ数値たちです。
まー、計算を何度も何度もやったり、問題を解きまくっていると、自然に覚えてしまうものなのですが、
こういうのを身につけて、九九の様に使えるようにしておくと、計算が速くなり、なおかつミスが少なくなります。
そんな「覚えておくと計算が楽になる数値たち」がコチラです。
(1).二乗は20まで覚えておく。
112=121 122=144 132=169 142=196 152=225
162=256 172=289 182=324 192=361 202=400
二乗は覚えておくと、意外に色々応用できたりします。
完全に丸暗記する程でもなくても、1の位の数字から連想できるレベルになれば十分です。
(例:172は、7×7=49だから1の位は9になるから・・・みたいな感じで)
応用例として、例えば・・・180×16の場合。
180×16=(160+20)×16=(16×16×10)+(20×16)=2560+320=2880
(2).分数→小数の変換を1/1〜1/10まで覚えておく。
以下に、小数第3位まで書きます。(小数第4位四捨五入)
1/1=1.000 1/2=0.500 1/3=0.333(0.3333......) 1/4=0.250 1/5=0.200
1/6=0.167(0.1666......) 1/7=0.143(0.142857142857......) 1/8=0.125 1/9=0.111(0.1111......) 1/10=0.100
「うわ!」って思うかもしれませんが、実は覚えるべきものは「1/7」だけでしょう。
1/1、1/2、1/3、1/5は大体皆さんご存知かと思います。
1/4は1/2を2で割ればOK、1/6は1/3を2で割ればOK、1/8は1/4を2で割るか、1/2を4で割ればOK、1/9は1/3を3で割ればOKです。
これだけ覚えておけば、試験対策や日常の計算はぐっと楽になります。
今回は「覚えておくと計算が楽になる数値たち」と言う事で、
覚えておくと高校や大学受験はモチロン、実生活でも役に立つ数値たちです。
まー、計算を何度も何度もやったり、問題を解きまくっていると、自然に覚えてしまうものなのですが、
こういうのを身につけて、九九の様に使えるようにしておくと、計算が速くなり、なおかつミスが少なくなります。
そんな「覚えておくと計算が楽になる数値たち」がコチラです。
(1).二乗は20まで覚えておく。
112=121 122=144 132=169 142=196 152=225
162=256 172=289 182=324 192=361 202=400
二乗は覚えておくと、意外に色々応用できたりします。
完全に丸暗記する程でもなくても、1の位の数字から連想できるレベルになれば十分です。
(例:172は、7×7=49だから1の位は9になるから・・・みたいな感じで)
応用例として、例えば・・・180×16の場合。
180×16=(160+20)×16=(16×16×10)+(20×16)=2560+320=2880
(2).分数→小数の変換を1/1〜1/10まで覚えておく。
以下に、小数第3位まで書きます。(小数第4位四捨五入)
1/1=1.000 1/2=0.500 1/3=0.333(0.3333......) 1/4=0.250 1/5=0.200
1/6=0.167(0.1666......) 1/7=0.143(0.142857142857......) 1/8=0.125 1/9=0.111(0.1111......) 1/10=0.100
「うわ!」って思うかもしれませんが、実は覚えるべきものは「1/7」だけでしょう。
1/1、1/2、1/3、1/5は大体皆さんご存知かと思います。
1/4は1/2を2で割ればOK、1/6は1/3を2で割ればOK、1/8は1/4を2で割るか、1/2を4で割ればOK、1/9は1/3を3で割ればOKです。
これだけ覚えておけば、試験対策や日常の計算はぐっと楽になります。
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