2012年05月20日
酒の科学。

日本酒、ビール、焼酎、ウィスキー、泡盛、カクテル、どれも大好きです。
え?どうでもいい、そんなこと?そうですか。
で、今回お話しするのが、お酒のお話。
お酒ってのは、古代古くから伝わる自然の恵みであるのですが、科学的視点で見ると、非常に興味深いものを秘めています。
お酒を作るのに必ずと言っていい必要な、重要なものが、糖と酵母と呼ばれるもの。
これらによって、アルコールが生まれるのです。
酵母って言うのは、単純な話、微生物です。酵母は糖を分解してアルコールに変えてくれます。
学名でSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス セレビシエ)と言います。
このSaccharomyces cerevisiaeにも色々な種類がありますが、それらの総称です。
それらの種類によって、また味も変わってきます。
また、米や麦などを主原料とした、糖ではなくデンプンを主に含むものについては、
酵母で発酵する前に、麹によって発酵させます。これによってデンプンを糖に変えて、その後、酵母によって発酵させるのです。
麹もまた、微生物です。あれです、カビです。Aspergillus(アスペルギルス)属という仲間のカビを使います。
日本酒に使われるのが、Aspergillus oryzae(アスペルギルス オリザエ)。黄麹と呼ばれます。
焼酎に使われる麹が、Aspergillus niger(アスペルギルス ニガー)。黒麹も白麹もそうですが、白麹はこの亜種です。
発酵作業の時に、服が黒くなる事から「黒麹」でして、これを改善させたのが「白麹」です。
他、醤油や味噌、鰹節の製造にも、このAspergillus(アスペルギルス)属のカビが使われています。
日本酒の醸造の場合・・・
まず米に黄麹を付けて発酵させます。
↓
すると、米のデンプンが糖化します。
ちなみに、デンプンってのは、糖が鎖の様に繋がった化学構造をしているので、この鎖を切って糖にするのです。
↓
デンプンが糖化すると、今度は酵母の出番です。
酵母によって、糖をアルコールに変えてあげます。
これによって、お酒が出来るのです。
ところで、「口噛み酒」って聞いた事ありますか?
穀物を口に含み、それを壷に吐き出して、発酵させるお酒の事です。
人間の唾液にはアミラーゼという酵素を含んでいます。
なので、人間が穀物を口に含んで噛むと、その穀物の持つデンプンが糖に変わるのです。
中学の頃、デンプンはヨウ素液で青紫色になるけど、デンプンに唾液を入れて温めたものは青紫色にならない、
という実験をしたかと思います。
これは、デンプンが唾液のアミラーゼによって糖に分解されたからです。
糖が出来たら、酵母によって発酵させる事が出来ます。こうして出来たのが「口噛み酒」ってヤツです。
ちなみに、微生物にはそれぞれ活動できる温度帯、と言うものがあります。
麹と酵母では、その温度帯が違います。これを利用して、糖化→アルコール化をするのです。
微生物って言うのは、他にも様々な要因で働きが左右され、それによって、様々な味わいのお酒が造られます。
原料の種類から始まり、水、空気、環境、温度、発酵時間、発酵槽の撹拌の仕方、麹や酵母の細かい種類、そして杜氏さんの腕。
様々な条件から、唯一無二の様々な味わいのお酒が出来ます。
そんな、一人一人違った方法で、他にはまねできない方法で、酒造りをする杜氏さんを私は心から尊敬しています。
【杜氏さんは納豆を食べれない?】
酒造りの天敵になるのが、雑菌。要するに邪魔をする菌の事です。
微生物が活動するには、それぞれの微生物の勢力も左右してきます。
ある環境下で活動できる微生物の勢力が強い場合、同じ環境下で活動できる他の微生物は活動できなくなってしまいます。
戦国時代において、勢力のある軍の方は影響力を持ち、勢力のない軍は何も出来ない、というのを想像してもらえばいいかと思います。
さて、納豆に使われるのが「納豆菌」。学名Bacillus subtilis var.natto(バチルス サブチルス ナットウ)と言います。
こちらはBacillus属と呼ばれる種類で、日本語では「枯草菌」という仲間です。
名前の通り、「草を枯らす菌」でして、どこにでもいる菌です。
これが、もの凄く強くて、どれだけ強いかと言うと、煮沸しても生きているってレベル。
ワラには大量の納豆菌が生きているのですが、このワラを使って納豆を作る時、納豆菌以外を死滅させるために煮沸します。
その位強いのです。ムチャクチャ強いのです。納豆菌は。
だから、この納豆菌を酒蔵に持ち込むと、納豆菌が「ワー!」ってなって、大変な事になってしまうのです。
なので、酒蔵で納豆を食うなんてした日にゃ、杜氏さんからぶん殴られる事間違いないでしょう。
そんな感じなのです。
酒造りの天敵になるのが、雑菌。要するに邪魔をする菌の事です。
微生物が活動するには、それぞれの微生物の勢力も左右してきます。
ある環境下で活動できる微生物の勢力が強い場合、同じ環境下で活動できる他の微生物は活動できなくなってしまいます。
戦国時代において、勢力のある軍の方は影響力を持ち、勢力のない軍は何も出来ない、というのを想像してもらえばいいかと思います。
さて、納豆に使われるのが「納豆菌」。学名Bacillus subtilis var.natto(バチルス サブチルス ナットウ)と言います。
こちらはBacillus属と呼ばれる種類で、日本語では「枯草菌」という仲間です。
名前の通り、「草を枯らす菌」でして、どこにでもいる菌です。
これが、もの凄く強くて、どれだけ強いかと言うと、煮沸しても生きているってレベル。
ワラには大量の納豆菌が生きているのですが、このワラを使って納豆を作る時、納豆菌以外を死滅させるために煮沸します。
その位強いのです。ムチャクチャ強いのです。納豆菌は。
だから、この納豆菌を酒蔵に持ち込むと、納豆菌が「ワー!」ってなって、大変な事になってしまうのです。
なので、酒蔵で納豆を食うなんてした日にゃ、杜氏さんからぶん殴られる事間違いないでしょう。
そんな感じなのです。
Posted by su96 at 01:41│Comments(0)
│科学総合