2012年01月10日
国家の品格 藤原正彦
遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年も何卒宜しくお願い申し上げます。
さて、今回のお話しですが、先日読み終わった、数学者藤原正彦氏の「国家の品格」です。
この本、大分前のベストセラーなのですが、非常に面白く読みすすめていきました。
今回はこの本を紹介しようと思います。
端的に言うと、今の日本に必要なものは「情緒」と「武士道精神」である。と言う事。
日本人は、自然やその事象から「情緒」を感じる事のできる能力、要するに「感受性」が、
他国よりも優れており、この事が日本の文化や国家を育んで来た。
19〜20世紀前半、アジア諸国が次々と植民地や占領地とされて行く中、日本は独特の文化が育まれており、
それが他国に対し、「植民地化させる事は無理だ」と思わせて、開国後も占領される事は無かった。
戦力では間違いなくヨーロッパ諸国が上回っていたにもかかわらず。
また、日本は世界の中で異質な存在であり続けるべきであり、一般的な存在、アメリカスタンダードに立ってはならない、
立ったら日本は世界に到底敵わず、退廃していく、と言う。
なるほど、確かに競争をする上で、また、自国の更なる発展を進める上で、相手の土俵に立つ、
普通そんなことあり得ないですわな。
国際人を育成する上でも、「英語」を勉強する前に、「日本史」や「国語」、「日本の文化」を勉強すべきである、という。
例え英語を話せても、自国の特徴や良さを知らなければ、何をする事もできない。
相手にとって、その人について魅力的な人とは感じられない。
それは国際人とは言えない。そして何より、英語圏では英語を話せる事が当たり前な訳ですし。
また、必要なのは「愛国心」ではなく「祖国愛」である、と言う事。
愛国心のような、自国の利益を追求するナショナリズムではなく、日本の自然や風土、文化、情緒を愛する「祖国愛」が必要である。
そして、その情緒を育む形として、「武士道精神」が必要である。
情緒を感じる心、弱者を思いやる心、誠実さ、忍耐強さ、勇気、卑怯を憎む心が、武士道精神にはある。
情緒が育まれれば、国家は成長する。
また、理論だけでは物事は破綻する。
理論と言うものには発端があり、そこから理論で結びつけていき、理論を成り立たせるわけだが、
その発端から遠くなればなるほど、その理論の信憑性は薄れていく。
また、発端は道徳心や概念であり、それは数多く存在し、矛盾をも引き起こす。
発端や道徳、概念部分が違えば、理論的に正しいものはいくらでもできる。
なるほど、確かに理論で片付かないものや解決しないものはいくらでもあるし、
十人居れば十通りの理論が存在する。
理論が道徳と矛盾してくる事も世の中には多くある。
今の経済は「神の見えざる手」によって・・・とあるが、「神の見えざる手」は本来あってはならない、とも言う。
アダム・スミスの「国富論」によって、人々は金の亡者になり、利己的な利潤追求によって、
弱者救済はままならないどころか経済破綻まで引き起こす。
これまで歴史上、何度も痛い目をあっているのに繰り返していることなのに。
私も、先のリーマンショックでそれを感じていた。
2008年9月、リーマンブラザーズが、サブプライムローンに多くの投資をし、
そして彼らは失敗して破綻し、その影響は世界中を巻き込んだ。
日本でも、多くの製造業が苦しみ、倒産した企業も多い。
全体的に見ても経済は少しずつ回復したともあるが、それは大企業のみの話。
大企業はこのことから、海外の安価な製品や部品へと走り、中小企業は回復のための伸びしろを奪われた。
非常に熱中して読み進めていける話です。
自分が忘れていた事や、当たり前でありながら目を逸らしていた事など、非常に考えさせられる内容です。
是非読んでみてはいかがでしょうか。おススメの1冊です。
さて、今回のお話しですが、先日読み終わった、数学者藤原正彦氏の「国家の品格」です。
この本、大分前のベストセラーなのですが、非常に面白く読みすすめていきました。
今回はこの本を紹介しようと思います。
端的に言うと、今の日本に必要なものは「情緒」と「武士道精神」である。と言う事。
日本人は、自然やその事象から「情緒」を感じる事のできる能力、要するに「感受性」が、
他国よりも優れており、この事が日本の文化や国家を育んで来た。
19〜20世紀前半、アジア諸国が次々と植民地や占領地とされて行く中、日本は独特の文化が育まれており、
それが他国に対し、「植民地化させる事は無理だ」と思わせて、開国後も占領される事は無かった。
戦力では間違いなくヨーロッパ諸国が上回っていたにもかかわらず。
また、日本は世界の中で異質な存在であり続けるべきであり、一般的な存在、アメリカスタンダードに立ってはならない、
立ったら日本は世界に到底敵わず、退廃していく、と言う。
なるほど、確かに競争をする上で、また、自国の更なる発展を進める上で、相手の土俵に立つ、
普通そんなことあり得ないですわな。
国際人を育成する上でも、「英語」を勉強する前に、「日本史」や「国語」、「日本の文化」を勉強すべきである、という。
例え英語を話せても、自国の特徴や良さを知らなければ、何をする事もできない。
相手にとって、その人について魅力的な人とは感じられない。
それは国際人とは言えない。そして何より、英語圏では英語を話せる事が当たり前な訳ですし。
また、必要なのは「愛国心」ではなく「祖国愛」である、と言う事。
愛国心のような、自国の利益を追求するナショナリズムではなく、日本の自然や風土、文化、情緒を愛する「祖国愛」が必要である。
そして、その情緒を育む形として、「武士道精神」が必要である。
情緒を感じる心、弱者を思いやる心、誠実さ、忍耐強さ、勇気、卑怯を憎む心が、武士道精神にはある。
情緒が育まれれば、国家は成長する。
また、理論だけでは物事は破綻する。
理論と言うものには発端があり、そこから理論で結びつけていき、理論を成り立たせるわけだが、
その発端から遠くなればなるほど、その理論の信憑性は薄れていく。
また、発端は道徳心や概念であり、それは数多く存在し、矛盾をも引き起こす。
発端や道徳、概念部分が違えば、理論的に正しいものはいくらでもできる。
なるほど、確かに理論で片付かないものや解決しないものはいくらでもあるし、
十人居れば十通りの理論が存在する。
理論が道徳と矛盾してくる事も世の中には多くある。
今の経済は「神の見えざる手」によって・・・とあるが、「神の見えざる手」は本来あってはならない、とも言う。
アダム・スミスの「国富論」によって、人々は金の亡者になり、利己的な利潤追求によって、
弱者救済はままならないどころか経済破綻まで引き起こす。
これまで歴史上、何度も痛い目をあっているのに繰り返していることなのに。
私も、先のリーマンショックでそれを感じていた。
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そして彼らは失敗して破綻し、その影響は世界中を巻き込んだ。
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全体的に見ても経済は少しずつ回復したともあるが、それは大企業のみの話。
大企業はこのことから、海外の安価な製品や部品へと走り、中小企業は回復のための伸びしろを奪われた。
非常に熱中して読み進めていける話です。
自分が忘れていた事や、当たり前でありながら目を逸らしていた事など、非常に考えさせられる内容です。
是非読んでみてはいかがでしょうか。おススメの1冊です。
人体常在菌のはなし-美人は菌でつくられる 青木皐
化学に魅せられて 白川英樹
地球の内部で何が起こっているのか? 平朝彦他
フェルマーの最終定理 サイモン・シン
ぼくを探しに シェル・シルヴァスタイン
有機化学美術館へようこそ 佐藤健太郎
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Posted by su96 at 21:42│Comments(0)
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