2012年01月23日
翡翠を求めて。
本日翡翠を探しに新潟県糸魚川市~富山県朝日町に行ってきたのです。
富山県の朝日町~新潟県の青海海岸~糸魚川市にかけては世界でも有数の翡翠の名産地なのです。
私が住んでいる長野県須坂市からだと高速で約2時間程度。 距離にして約130kmってところです。
北アルプスを迂回するルートになるのですが、意外に近いのです。
さて、最初に行ったのは富山県の東端、新潟県との県境にある朝日町。
ここに「ヒスイ海岸」がありまして、海岸線をとぼとぼと歩きながら石を探す。
冬の日本海、波が荒いです。
そして、翡翠の見分け方、調べてから来たのですが、全然分かりません。
翡翠というと緑をイメージされるでしょうが、純粋な翡翠は白色です。
でも、「キツネ石」という良く似たものもあり、科学分析なしに見分けるのには非常に熟練の技が必要なのです。
さて、ここで翡翠について。
輝石の一種で、細かな繊維状結晶が緻密に絡まって塊になっており、非常に頑丈で壊れにくい性質を持っています。
「硬玉」という名で装飾品として使われるのは有名な話かと思います。
純粋なヒスイ輝石は緑ではなく白色で、クロムと鉄を含むと緑になったり、チタンを含むと淡い紫になったりします。
この新潟県西部〜富山県東部はこの紫色のヒスイが取れ、「ラベンダービーチ」と言われるところもあります。
ちなみに純粋なヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6で表されます。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
糸魚川で産出される翡翠は量の順番で、白>緑>紫>青(チタンを含むオンファス輝石)>黒(石墨を含む)。
ちなみに「キツネ石」とは、「これ翡翠じゃない?」→「うわー違った!!」っていうもの。
キツネ石としては石英が多いようです。
糸魚川市には国指定の天然記念物として「翡翠峡」と言うところがあります。
小滝川の川沿い一帯がそれに当たります。尚、ここでの翡翠採取は固く禁じられております。
ちなみに翡翠の見分け方ですが、
・普通の石より比重が大きい。いわゆるずっしり重く感じる。
・緻密な結晶の集合体なので、光にかざすと表面がキラキラしている。→ざらざらとした透明な結晶がある。
・基本的に白から灰色のものが多い。そこに緑色が混ざっている、という感じ。
・石が乾いても緑色が非常にキレイ。
・頑丈な石なので、まんまるのものは無く、形が歪である。
・一番は糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムの研究員に鑑定してもらう。
で、海岸での翡翠採取ですが、色々拾って、
「これか?いや違う様な・・・でも、うーん・・・」
と、そんな感じでした。
やっぱヒスイ海岸というだけあり、他にも翡翠を探してとぼとぼ歩いている人が多いです。
基本的に海の波が大きい時に、波が運んでくるって感じなのです。
ある程度で見切りをつけて、次は親不知へ。
途中、天険親不知に立ち寄る。「矢如砥如」。
江戸時代まで交通の難所であった、「天下の険=『天険』」と言われる崖です。
(写真は3年前のものですが。)



いやーここ、大好きなんですよ。火曜サスペンスに出てきそうな風景です。
そして、親不知の海岸へ。ここは人が居ない。
色々見てみる。緑の色鮮やかなものもあって、「お?どうなんだ?」って感じのものまで。
その後は折角なので糸魚川市で地魚が食べれて美味い!という、地魚料理翠家かわせみさんでご飯。
ヒラメとアンコウのお刺身と、真鱈の白子ポン酢。ご飯とアンコウのお味噌汁。
感動的に美味い。そして帰宅。
戦利品の一部をご紹介。
とりあえずこんな感じです。

非常に緑色が鮮やかでキレイなのがコレ。

拡大するとこんな感じ。

あとはコレ。

こんな面白い石も。

翡翠取れたらいいな、で行ったのですが、翡翠云々を抜きにしても、キレイな変わった石を探して拾うって事そのものが、
幼い頃を思い出し、童心に帰った様で非常に楽しいものでした。
富山県の朝日町~新潟県の青海海岸~糸魚川市にかけては世界でも有数の翡翠の名産地なのです。
私が住んでいる長野県須坂市からだと高速で約2時間程度。 距離にして約130kmってところです。
北アルプスを迂回するルートになるのですが、意外に近いのです。
さて、最初に行ったのは富山県の東端、新潟県との県境にある朝日町。
ここに「ヒスイ海岸」がありまして、海岸線をとぼとぼと歩きながら石を探す。
冬の日本海、波が荒いです。
そして、翡翠の見分け方、調べてから来たのですが、全然分かりません。
翡翠というと緑をイメージされるでしょうが、純粋な翡翠は白色です。
でも、「キツネ石」という良く似たものもあり、科学分析なしに見分けるのには非常に熟練の技が必要なのです。
さて、ここで翡翠について。
輝石の一種で、細かな繊維状結晶が緻密に絡まって塊になっており、非常に頑丈で壊れにくい性質を持っています。
「硬玉」という名で装飾品として使われるのは有名な話かと思います。
純粋なヒスイ輝石は緑ではなく白色で、クロムと鉄を含むと緑になったり、チタンを含むと淡い紫になったりします。
この新潟県西部〜富山県東部はこの紫色のヒスイが取れ、「ラベンダービーチ」と言われるところもあります。
ちなみに純粋なヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6で表されます。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
糸魚川で産出される翡翠は量の順番で、白>緑>紫>青(チタンを含むオンファス輝石)>黒(石墨を含む)。
ちなみに「キツネ石」とは、「これ翡翠じゃない?」→「うわー違った!!」っていうもの。
キツネ石としては石英が多いようです。
糸魚川市には国指定の天然記念物として「翡翠峡」と言うところがあります。
小滝川の川沿い一帯がそれに当たります。尚、ここでの翡翠採取は固く禁じられております。
ちなみに翡翠の見分け方ですが、
・普通の石より比重が大きい。いわゆるずっしり重く感じる。
・緻密な結晶の集合体なので、光にかざすと表面がキラキラしている。→ざらざらとした透明な結晶がある。
・基本的に白から灰色のものが多い。そこに緑色が混ざっている、という感じ。
・石が乾いても緑色が非常にキレイ。
・頑丈な石なので、まんまるのものは無く、形が歪である。
・一番は糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムの研究員に鑑定してもらう。
で、海岸での翡翠採取ですが、色々拾って、
「これか?いや違う様な・・・でも、うーん・・・」
と、そんな感じでした。
やっぱヒスイ海岸というだけあり、他にも翡翠を探してとぼとぼ歩いている人が多いです。
基本的に海の波が大きい時に、波が運んでくるって感じなのです。
ある程度で見切りをつけて、次は親不知へ。
途中、天険親不知に立ち寄る。「矢如砥如」。
江戸時代まで交通の難所であった、「天下の険=『天険』」と言われる崖です。
(写真は3年前のものですが。)



いやーここ、大好きなんですよ。火曜サスペンスに出てきそうな風景です。
そして、親不知の海岸へ。ここは人が居ない。
色々見てみる。緑の色鮮やかなものもあって、「お?どうなんだ?」って感じのものまで。
その後は折角なので糸魚川市で地魚が食べれて美味い!という、地魚料理翠家かわせみさんでご飯。
ヒラメとアンコウのお刺身と、真鱈の白子ポン酢。ご飯とアンコウのお味噌汁。
感動的に美味い。そして帰宅。
戦利品の一部をご紹介。
とりあえずこんな感じです。
非常に緑色が鮮やかでキレイなのがコレ。

拡大するとこんな感じ。

あとはコレ。
こんな面白い石も。
翡翠取れたらいいな、で行ったのですが、翡翠云々を抜きにしても、キレイな変わった石を探して拾うって事そのものが、
幼い頃を思い出し、童心に帰った様で非常に楽しいものでした。
2012年01月11日
柘榴石を求めて。
先日、柘榴石を求めて長和町の和田峠まで行ってきました。
柘榴石(ざくろいし)とは何ぞや?と言う事ですが、ガーネットと言えばご存知でしょう。
あれの原石が和田峠で取れるそうなのです。
ちなみに柘榴石。
ガーネットというと赤色を想像しがちですが、成分によって様々な色になります。
柘榴石は、成分の違いで大きく分けて6種類。
「灰ばん柘榴石(以下柘榴石省略)」「苦ばん〜」「鉄ばん〜」「満ばん〜」「灰鉄〜」「灰クロム〜」。
「灰」のグループはカルシウムを含み、主に緑、黄色系、
「ばん」のグループはアルミニウムを含み、主に赤色系になります。
濃い赤色のガーネットはこの中でも、「苦ばん〜」「鉄ばん〜」に属します。
鉄ばん柘榴石の場合、化学組成はFe3Al2(SiO4)3で表されます。
化学組成で書くとなんのこっちゃ、って感じですが、要するには、
鉄原子:アルミニウム原子:水晶の分子= 3:2:3
の比で含まれているって事です。
菱形の十二面体や、台形の二十四面体の結晶で姿を現します。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
宝石には余り興味ないのですが、「鉱石」には興味のある私です。
今まで「水晶クラスタ」「紫水晶クラスタ」などを買ったり、硫黄や石灰石を拾ったりしていた私です。
ここ長野県の北信地方、意外に日帰り圏内で鉱石を取れる、という情報を耳にし、
しかも、和田峠では柘榴石が取れる、との事で、衝動に駆られたかのごとく、
半ば無計画で100km先の和田峠まで行ってきました。
とりあえず、和田峠に流れる川の上流付近まで行けばあるらしい、という情報を手に。
冬期通行止めの情報すら確認せずに。
で、車を走らせる事約2時間。着いたのがコチラ。
和田峠の某所の川です。

うん、こんな雪が積もっている1月に、石拾いをやろうとするバカはオレぐらいか。
とりあえず、ざるとスコップを持ってGO。
水は冷たい。そらそうだ、気温は零度近い。恐らく水温は5度無いでしょう。
身体ごと飛び込めば、間違いなく風邪引くでしょう。
で、スコップですくって、ザルに入れて、石を探して。
おーおーあるある。柘榴石ではなく、黒耀石が。
時々姿を見せる、幼虫など水中生物の子どもも。起こしてゴメン。
で、実はここ長和町は、明大の黒耀石研究センターがあり、
また、和田峠の通り沿いには「黒耀」という名前の施設や飲食店が幾つもあるくらい、
黒耀石がゴロゴロある場所だったりする。
で、黒耀石って何?ってとこですが。
一言で言えば、「黒みがかったガラス質の石」です。
とっても黒光りしている石で、昔、打製石器に良く使われていました。
日本中の様々な所にあったりします。
実は、普通に肉眼で川の中を見ても点在しているのが分かる。
そして、大きいのを見つけて足下を慎重に取りに行く・・・
川 に 落 ち た ! !
落ちたと言うか、左足が見事川ポチャ。
とんでもなくツメタイ。感覚が麻痺してくるくらい。
しかし、ここからは開き直って川の中を普通に突き進み、黒耀石を拾う。
ここまでで大体15分くらい。そろそろ冷たさがキツイ。
手が冷たい、足が冷たい。
と、言うわけで川から上がってこれにて終了。
収穫はこんな感じ。

割れて、表面がテカテカしているものもあれば、擦れて光沢の無いものもある。
真っ黒ですが、光に透かすとこんな感じで透明なのが分かります。

デカいのはこの2つ。

左は約3.5cm、右は約3cmってところ。
そして、個人的に気に入ったのはコチラ。

非常に小さい欠片なのですが、光に透かすと、奇麗な縞が横に平行に走っているのが分かります。
もちろん、お目当ての柘榴石はゼロ。
それらしい結晶体のものは取れてませんがな。
帰りは替えの履物を履いて、濡れた服を乾かすために暖房をガンガン焚いて、
約100kmの道のりを2時間掛けて帰って行きました。
と、そんな感じです。
日帰り圏内だと、新潟県糸魚川~富山県朝日町にかけて、翡翠がとれる所があります。
(ただし、採取禁止されている場所もあるので注意。また、今回の和田峠も、私有地でも採取は当然の事ながら禁止されているので注意。)
こちらもまた行ってみたいな、なんて思ってます。
南佐久郡南相木村には磁鉄鉱も。磁石を持ってGOですか。
こんな久々のフィールドワークも楽しいものです。
柘榴石(ざくろいし)とは何ぞや?と言う事ですが、ガーネットと言えばご存知でしょう。
あれの原石が和田峠で取れるそうなのです。
ちなみに柘榴石。
ガーネットというと赤色を想像しがちですが、成分によって様々な色になります。
柘榴石は、成分の違いで大きく分けて6種類。
「灰ばん柘榴石(以下柘榴石省略)」「苦ばん〜」「鉄ばん〜」「満ばん〜」「灰鉄〜」「灰クロム〜」。
「灰」のグループはカルシウムを含み、主に緑、黄色系、
「ばん」のグループはアルミニウムを含み、主に赤色系になります。
濃い赤色のガーネットはこの中でも、「苦ばん〜」「鉄ばん〜」に属します。
鉄ばん柘榴石の場合、化学組成はFe3Al2(SiO4)3で表されます。
化学組成で書くとなんのこっちゃ、って感じですが、要するには、
鉄原子:アルミニウム原子:水晶の分子= 3:2:3
の比で含まれているって事です。
菱形の十二面体や、台形の二十四面体の結晶で姿を現します。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
宝石には余り興味ないのですが、「鉱石」には興味のある私です。
今まで「水晶クラスタ」「紫水晶クラスタ」などを買ったり、硫黄や石灰石を拾ったりしていた私です。
ここ長野県の北信地方、意外に日帰り圏内で鉱石を取れる、という情報を耳にし、
しかも、和田峠では柘榴石が取れる、との事で、衝動に駆られたかのごとく、
半ば無計画で100km先の和田峠まで行ってきました。
とりあえず、和田峠に流れる川の上流付近まで行けばあるらしい、という情報を手に。
冬期通行止めの情報すら確認せずに。
で、車を走らせる事約2時間。着いたのがコチラ。
和田峠の某所の川です。
うん、こんな雪が積もっている1月に、石拾いをやろうとするバカはオレぐらいか。
とりあえず、ざるとスコップを持ってGO。
水は冷たい。そらそうだ、気温は零度近い。恐らく水温は5度無いでしょう。
身体ごと飛び込めば、間違いなく風邪引くでしょう。
で、スコップですくって、ザルに入れて、石を探して。
おーおーあるある。柘榴石ではなく、黒耀石が。
時々姿を見せる、幼虫など水中生物の子どもも。起こしてゴメン。
で、実はここ長和町は、明大の黒耀石研究センターがあり、
また、和田峠の通り沿いには「黒耀」という名前の施設や飲食店が幾つもあるくらい、
黒耀石がゴロゴロある場所だったりする。
で、黒耀石って何?ってとこですが。
一言で言えば、「黒みがかったガラス質の石」です。
とっても黒光りしている石で、昔、打製石器に良く使われていました。
日本中の様々な所にあったりします。
実は、普通に肉眼で川の中を見ても点在しているのが分かる。
そして、大きいのを見つけて足下を慎重に取りに行く・・・
川 に 落 ち た ! !
落ちたと言うか、左足が見事川ポチャ。
とんでもなくツメタイ。感覚が麻痺してくるくらい。
しかし、ここからは開き直って川の中を普通に突き進み、黒耀石を拾う。
ここまでで大体15分くらい。そろそろ冷たさがキツイ。
手が冷たい、足が冷たい。
と、言うわけで川から上がってこれにて終了。
収穫はこんな感じ。
割れて、表面がテカテカしているものもあれば、擦れて光沢の無いものもある。
真っ黒ですが、光に透かすとこんな感じで透明なのが分かります。
デカいのはこの2つ。
左は約3.5cm、右は約3cmってところ。
そして、個人的に気に入ったのはコチラ。
非常に小さい欠片なのですが、光に透かすと、奇麗な縞が横に平行に走っているのが分かります。
もちろん、お目当ての柘榴石はゼロ。
それらしい結晶体のものは取れてませんがな。
帰りは替えの履物を履いて、濡れた服を乾かすために暖房をガンガン焚いて、
約100kmの道のりを2時間掛けて帰って行きました。
と、そんな感じです。
日帰り圏内だと、新潟県糸魚川~富山県朝日町にかけて、翡翠がとれる所があります。
(ただし、採取禁止されている場所もあるので注意。また、今回の和田峠も、私有地でも採取は当然の事ながら禁止されているので注意。)
こちらもまた行ってみたいな、なんて思ってます。
南佐久郡南相木村には磁鉄鉱も。磁石を持ってGOですか。
こんな久々のフィールドワークも楽しいものです。