2012年01月12日

冬の天気。

雪が降ってます。ガンガン降ってます。ただいま日本は冬型の気圧配置に覆われています。
さて、冬型の気圧配置、とは?「西高東低」です。必ず一度は耳にした事があると思います。
昨日の気圧配置です。これこそ典型的な西高東低の気圧配置です。
冬の天気。
日本の西側が高気圧に覆われ、東側が低気圧に覆われるので、西高東低と言います。

さて、「何でこれがこの様な天気をもたらすのか?」
というと、なかなか答えられない事が多いかもしれません。
今回はそんな内容です。

西高東低の話をする前に、まずは低気圧と高気圧の定義からです。
高気圧:周囲より高い気圧である。
低気圧:周囲より低い気圧である。

そのまんまです。でも、これを最初に確認しないと先には進めません。

日本が冬になると、ロシアの方にある大陸性の高気圧が発達して、日本の西部を覆うようになります。
この高気圧をシベリア気団と言います。
北方ロシア=「冷たい」、大陸性=「乾燥している」と言う事でこのシベリア気団、冷たく乾燥している気団なのです。
これが発達すると、先ほど申し上げた通り、シベリア気団は高気圧なので、
日本の西側の気圧は高くなり、そうすると相対的に日本の東側の気圧は低くなります
あら不思議、西高東低だわ。

さて、では何でこれが西側に雪をもたらすのか、というところです。
日本列島を東西にぶった切ったらどうなるかを想像してみて下さい。
ど真ん中に山脈が連なっています。そしてそれは、西側にまでつながり、西側でストーン!と落ちます。日本海側には崖が多いのです。

シベリア気団は乾燥しています。だから、日本海を渡るときに海の湿気を吸って日本にやってきます

シベリア気団が日本にやってきました。冷たくて、海の湿気を持ってきました。

シベリア気団は今度、山を越えなくてはなりません。日本海側には崖が多く、比較的標高が高いです。これを越えていきます。

越えるには、勿論山の上を通過する必要があります。山の上を越える、と言う事は高い高度を通る、と言う事です。

高度が高くなると、気温は低下します。大体ですが、100mで0.6度低くなります。気温が低くなると、空気中に含む事のできる水蒸気量が少なくなります

空気中の水蒸気量のキャパが小さくなると、オーバーした分は水滴として発生します
結露がいい例です。また、夏場、冷たい飲み物の周りがビショビショになるアレもいい例です。

標高が高いところってのは勿論零度を下回ってます。なので、オーバー分は水滴ではなく、氷として現れますです。

この様にして西側では雪が降ります

さて、では東側ではどうでしょうか?
西側で雪を降らせて、高気圧は山を越えてきます。高気圧の持っていた日本海の湿気の多くをここで出し切ってしまいます

これが今度は山を下って日本の東側へと流れ込みます。標高が低くなると、気温が高くなるので、水蒸気のキャパは大きくなります

水蒸気のキャパが大きくなるけど、持っている水蒸気量は少ない。すなわち湿度が低い状態になる

東側は晴れて乾燥した天気になる。

こんな感じです。なので、まとめると。
西側:雪が多い
東側:晴れて乾燥している

という天気の特徴になります。

ちなみに、この気圧配置になると、北〜北西の風が強くなるので、非常に寒いです。
低気圧は半時計回りに吹き込む風を持って北〜北西へと進んでいきます。
だから、低気圧の西側は北〜北西の風になるので、つめた〜い風が吹いてくるのです。

そんな訳で、冬の天気について今日は書いてみました。
【ここは試験に「出ます」。番外編】
さて、この低気圧ですが、位置によって風向きを知る簡単な方法があります。
中学の試験では定番ですが、それを紹介しようと思います。

通常、
高気圧:時計回りに中心から吹き出す。
低気圧:半時計回りに中心に吹き込む。
これを元にして問題を解いていくのですが、これより簡単な方法があります。それがコチラ。

1.風向きを調べたい地点と低気圧の中心を線で結びます。(図では長野)
2.その線を直径として、調べたい地点を起点に半時計回りに円を書きます
3.円を書いたとき、調べたい地点でペン先が動いた方向に風が吹きます
図では青矢印の方向です。すなわち、北西の風となります。
冬の天気。

普段の天気図でも十分に出来ますので、是非お試しあれ。


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Posted by su96 at 04:07│Comments(0)科学総合
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