速算術-3[2ケタ以上のかけ算を楽に解く方法]
と言う訳で、久々に速算術です。
今回はインド式速算術より、
2ケタ以上のかけ算を楽に解く方法です。
条件は限られるのですが、この方法を使えば、場合によっては楽に、且つ速く解く事が可能になります。
例えばこんな場合。
例題)194×211
コレを「筆算でやれ」と言われたら、正直イヤです。
こういう式をより楽に、速く解く方法です。
(1).
2つの数字に最も近い「キリのいい数」を探し、これを「基準の数」とします。
→今回の場合、基準の数は
「200」です。
(2).
筆算のかけ算を書き、右端に「基準の数に対する過不足」をメモします。
→基準の数は200なので、
194だと「-6」、
211だと「+11」となります。
つまり、下記のようになります。
194 | -6
×211 | +11
--------------------------
(3).
片方の数字と、もう一方の「基準に対する過不足」の数字を差し引きし、それを基準の数と掛けます。
→今回の場合、「194+11」、または「211-6」をします。どちらも「205」になります。
これを、基準の数「200」と掛け、
205×200=41000
(4).「基準に対する過不足」の数字同士を掛けて、(3)にそれを加えると答えが出ます。
→-6と+11を掛けて、
(-6)×(+11)=-66となり、これを41000に加えます。
41000+(-66)=41000-66=40934
答えは
40934です。
こう手順を書くと煩わしいように見えますが、
計算を簡単にしてから解くという手順を使っているので、比較的楽になり、計算ミスが少なくなります。
使える条件として、内容からお分かりの通り、
2つの数が、同じキリのいい数に近いことが前提となりますが、
慣れると、非常に楽に扱う事が出来ます。
是非お試しあれ。
【証明編】
さて、この解き方の証明をしてみます。
基準の数をa、
基準に対して不足する数をb,cとします。
すると、かけ算は
(a-b)(a-c)
となります。これを展開すると、
a2-ab-ac+bc
となります。
一方、(a-b)(a-c)を先ほどの解き方に当てはめてみます。
(1).基準の数は
「a」です。
(2).基準の数に対する過不足の数は
「-b」と「-c」です。
(3).片方の数字と、もう一方の「基準に対する過不足」の数字を差し引きすると、
(a-b)+(-c)=a-b-c
となります。これに基準の数aを掛けると、
a(a-b-c)=a2-ab-ac
となります。
(4).「基準に対する過不足」の数字同士を掛けると、
(-b)×(-c)=bc
となります。これを(3)に加えます。
a2-ab-ac+bc
同じだ!!
という訳で、今回紹介した様な形で計算する事が可能になります。
筆算に慣れている場合はその方が早いかもしれませんが、計算ミスは断然少なくなります。
ただし、このやり方で楽だと実感できる場合は、ある程度計算力が身に付いている必要もあるかもしれません。
是非、お試し下さい。
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