翡翠を求めて。

su96

2012年01月23日 00:18

本日翡翠を探しに新潟県糸魚川市~富山県朝日町に行ってきたのです。
富山県の朝日町~新潟県の青海海岸~糸魚川市にかけては世界でも有数の翡翠の名産地なのです。

私が住んでいる長野県須坂市からだと高速で約2時間程度。 距離にして約130kmってところです。
北アルプスを迂回するルートになるのですが、意外に近いのです。

さて、最初に行ったのは富山県の東端、新潟県との県境にある朝日町。
ここに「ヒスイ海岸」がありまして、海岸線をとぼとぼと歩きながら石を探す。
冬の日本海、波が荒いです。
そして、翡翠の見分け方、調べてから来たのですが、全然分かりません。
翡翠というと緑をイメージされるでしょうが、純粋な翡翠は白色です。
でも、「キツネ石」という良く似たものもあり、科学分析なしに見分けるのには非常に熟練の技が必要なのです。

さて、ここで翡翠について。
輝石の一種で、細かな繊維状結晶が緻密に絡まって塊になっており、非常に頑丈で壊れにくい性質を持っています。
「硬玉」という名で装飾品として使われるのは有名な話かと思います。
純粋なヒスイ輝石は緑ではなく白色で、クロムと鉄を含むと緑になったり、チタンを含むと淡い紫になったりします。
この新潟県西部〜富山県東部はこの紫色のヒスイが取れ、「ラベンダービーチ」と言われるところもあります。
ちなみに純粋なヒスイ輝石の化学組成はNaAlSi2O6で表されます。
(参考:図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
糸魚川で産出される翡翠は量の順番で、白>緑>紫>青(チタンを含むオンファス輝石)>黒(石墨を含む)
ちなみに「キツネ石」とは、「これ翡翠じゃない?」→「うわー違った!!」っていうもの。
キツネ石としては石英が多いようです。
糸魚川市には国指定の天然記念物として「翡翠峡」と言うところがあります。
小滝川の川沿い一帯がそれに当たります。尚、ここでの翡翠採取は固く禁じられております。

ちなみに翡翠の見分け方ですが、
・普通の石より比重が大きい。いわゆるずっしり重く感じる。
・緻密な結晶の集合体なので、光にかざすと表面がキラキラしている。→ざらざらとした透明な結晶がある。
・基本的に白から灰色のものが多い。そこに緑色が混ざっている、という感じ。
・石が乾いても緑色が非常にキレイ。
・頑丈な石なので、まんまるのものは無く、形が歪である。
一番は糸魚川市にあるフォッサマグナミュージアムの研究員に鑑定してもらう。

で、海岸での翡翠採取ですが、色々拾って、
「これか?いや違う様な・・・でも、うーん・・・」
と、そんな感じでした。
やっぱヒスイ海岸というだけあり、他にも翡翠を探してとぼとぼ歩いている人が多いです。
基本的に海の波が大きい時に、波が運んでくるって感じなのです。

ある程度で見切りをつけて、次は親不知へ。
途中、天険親不知に立ち寄る。「矢如砥如」。
江戸時代まで交通の難所であった、「天下の険=『天険』」と言われる崖です。
(写真は3年前のものですが。)

いやーここ、大好きなんですよ。火曜サスペンスに出てきそうな風景です。


そして、親不知の海岸へ。ここは人が居ない。
色々見てみる。緑の色鮮やかなものもあって、「お?どうなんだ?」って感じのものまで。

その後は折角なので糸魚川市で地魚が食べれて美味い!という、地魚料理翠家かわせみさんでご飯。
ヒラメとアンコウのお刺身と、真鱈の白子ポン酢。ご飯とアンコウのお味噌汁。
感動的に美味い。そして帰宅。

戦利品の一部をご紹介。
とりあえずこんな感じです。


非常に緑色が鮮やかでキレイなのがコレ。

拡大するとこんな感じ。

あとはコレ。


こんな面白い石も。


翡翠取れたらいいな、で行ったのですが、翡翠云々を抜きにしても、キレイな変わった石を探して拾うって事そのものが、
幼い頃を思い出し、童心に帰った様で非常に楽しいものでした。

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