先日、柘榴石を求めて長和町の和田峠まで行ってきました。
柘榴石(ざくろいし)とは何ぞや?と言う事ですが、
ガーネットと言えばご存知でしょう。
あれの原石が和田峠で取れるそうなのです。
ちなみに柘榴石。
ガーネットというと赤色を想像しがちですが、成分によって様々な色になります。
柘榴石は、成分の違いで大きく分けて6種類。
「灰ばん柘榴石(以下柘榴石省略)」「苦ばん〜」「鉄ばん〜」「満ばん〜」「灰鉄〜」「灰クロム〜」。
「灰」のグループはカルシウムを含み、主に緑、黄色系、
「ばん」のグループはアルミニウムを含み、主に赤色系になります。
濃い赤色のガーネットはこの中でも、「苦ばん〜」「鉄ばん〜」に属します。
鉄ばん柘榴石の場合、化学組成は
Fe3Al2(SiO4)3で表されます。
化学組成で書くとなんのこっちゃ、って感じですが、要するには、
鉄原子:アルミニウム原子:水晶の分子= 3:2:3
の比で含まれているって事です。
菱形の十二面体や、台形の二十四面体の結晶で姿を現します。
(参考:
図解サイエンス 鉱物のしくみが分かる本 松原聰 監 成美堂出版 )
宝石には余り興味ないのですが、「鉱石」には興味のある私です。
今まで「水晶クラスタ」「紫水晶クラスタ」などを買ったり、硫黄や石灰石を拾ったりしていた私です。
ここ長野県の北信地方、意外に日帰り圏内で鉱石を取れる、という情報を耳にし、
しかも、和田峠では柘榴石が取れる、との事で、衝動に駆られたかのごとく、
半ば無計画で100km先の和田峠まで行ってきました。
とりあえず、和田峠に流れる川の上流付近まで行けばあるらしい、という情報を手に。
冬期通行止めの情報すら確認せずに。
で、車を走らせる事約2時間。着いたのがコチラ。
和田峠の某所の川です。
うん、こんな雪が積もっている1月に、石拾いをやろうとするバカはオレぐらいか。
とりあえず、ざるとスコップを持ってGO。
水は冷たい。そらそうだ、気温は零度近い。恐らく水温は5度無いでしょう。
身体ごと飛び込めば、間違いなく風邪引くでしょう。
で、スコップですくって、ザルに入れて、石を探して。
おーおーあるある。柘榴石ではなく、黒耀石が。
時々姿を見せる、幼虫など水中生物の子どもも。起こしてゴメン。
で、実はここ長和町は、明大の黒耀石研究センターがあり、
また、和田峠の通り沿いには「黒耀」という名前の施設や飲食店が幾つもあるくらい、
黒耀石がゴロゴロある場所だったりする。
で、黒耀石って何?ってとこですが。
一言で言えば、
「黒みがかったガラス質の石」です。
とっても黒光りしている石で、昔、打製石器に良く使われていました。
日本中の様々な所にあったりします。
実は、普通に肉眼で川の中を見ても点在しているのが分かる。
そして、大きいのを見つけて足下を慎重に取りに行く・・・
川 に 落 ち た ! !
落ちたと言うか、左足が見事川ポチャ。
とんでもなくツメタイ。感覚が麻痺してくるくらい。
しかし、ここからは開き直って川の中を普通に突き進み、黒耀石を拾う。
ここまでで大体15分くらい。そろそろ冷たさがキツイ。
手が冷たい、足が冷たい。
と、言うわけで川から上がってこれにて終了。
収穫はこんな感じ。
割れて、表面がテカテカしているものもあれば、擦れて光沢の無いものもある。
真っ黒ですが、光に透かすとこんな感じで透明なのが分かります。
デカいのはこの2つ。
左は約3.5cm、右は約3cmってところ。
そして、個人的に気に入ったのはコチラ。
非常に小さい欠片なのですが、光に透かすと、奇麗な縞が横に平行に走っているのが分かります。
もちろん、お目当ての柘榴石はゼロ。
それらしい結晶体のものは取れてませんがな。
帰りは替えの履物を履いて、濡れた服を乾かすために暖房をガンガン焚いて、
約100kmの道のりを2時間掛けて帰って行きました。
と、そんな感じです。
日帰り圏内だと、新潟県糸魚川~富山県朝日町にかけて、翡翠がとれる所があります。
(ただし、採取禁止されている場所もあるので注意。また、今回の和田峠も、私有地でも採取は当然の事ながら禁止されているので注意。)
こちらもまた行ってみたいな、なんて思ってます。
南佐久郡南相木村には磁鉄鉱も。磁石を持ってGOですか。
こんな久々のフィールドワークも楽しいものです。